指先が描くのは
□第1章 汝は我が剣となれ
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とてもじゃないが、果たしてそれが正しく機能するのか疑問ではある。
(何にせよ、ろくなものじゃないでしょうね)
願望機、と呼ばれる聖杯。
けれど、祈りには代償がいるものだ。
無条件で叶えられる願いなんかありはしない。
(…気になるな)
一度気になれば確かめるまで気が済まないのが私の性だ。
となればとる行動は、一つ。
(参戦はともかく、冬木に行こう)
この言いようのない嫌な疑問を解消するために。
そうだ、ついでにウェイバーの手助けでもしてあげようか。
どうせ、ケイネス先生もまだ参加は諦めていないのだろうし。
どこかで鳴った争いの鐘
(遠くどこかで鐘の音が聞こえた気がした)
(たった一つのいわくつきの聖杯を巡る戦いの鐘の音が)
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