指先が描くのは

□第1章 汝は我が剣となれ
3ページ/23ページ

とてもじゃないが、果たしてそれが正しく機能するのか疑問ではある。



(何にせよ、ろくなものじゃないでしょうね)



願望機、と呼ばれる聖杯。

けれど、祈りには代償がいるものだ。

無条件で叶えられる願いなんかありはしない。



(…気になるな)



一度気になれば確かめるまで気が済まないのが私の性だ。

となればとる行動は、一つ。



(参戦はともかく、冬木に行こう)



この言いようのない嫌な疑問を解消するために。

そうだ、ついでにウェイバーの手助けでもしてあげようか。

どうせ、ケイネス先生もまだ参加は諦めていないのだろうし。



どこかで鳴った争いの鐘



(遠くどこかで鐘の音が聞こえた気がした)

(たった一つのいわくつきの聖杯を巡る戦いの鐘の音が)



_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ