野球しようよ―第1部―
□10章 初日
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篠崎「みんな、明日練習試合入るから。」
全員「ええーっ!?」
夏休みが始まって3日目の練習終わりに巧の口から何となく発せられた言葉がメンバーを驚かせた。
倉持「もうなの?」
篠崎「頼んだら是非ってことだったから。どうせやるなら早い方がいいだろ?」
倉持「そ、そうだね。」
明日香ですらも急な展開について行けていない。
篠崎「とりあえず明日の朝は7時集合、自転車でよろしく!」
倉持「先生にも連絡しておく?」
篠崎「道具運ぶのに車があった方がいいだろうからできれば。」
倉持「うん、わかった。」
篠崎「じゃあ解散で。」
するとそれぞれが翌日に備えて足早に解散して行った。
河西「チユウ!」
智美が巧の肩を叩いた。
篠崎「河西さんどうした?」
河西「ぶぅ〜、とも〜みちゃんって呼んでよ〜!」
篠崎「と、とも〜みちゃん?で、用件は?」
河西「私って家渋谷なんだけどどうしたらいい?」
篠崎「あ〜ごめん、そこまで把握してなかった。」
巧は頭を掻いた。
河西「ともと二人乗りしよ?」
巧が考えているところに智美が不意に覗き込んだ。
篠崎「わ、わかったからちょっと離れて!」
河西「チユウ?」
篠崎(この子は自覚ないのか?)
河西「じゃあ明日よろしくね〜」
智美は足取り軽く走り去った。
篠崎「俺も帰るか…」