野球しようよ―第1部―
□9章 Everyday カチューシャ
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翌日の放課後、巧は秋女の敷地のフェンスに沿って自転車で走っていた。
巧「なんでグランド側に入り口がないんだよ…」
秋女唯一の校門はグランドの真逆にあった。しかもグランドは校舎に隠されているオマケ付きだ。
(キキーッ!)
巧は駐輪場に自転車を停めるとグランドに向かった。ある事を忘れて…
野島「そこの少年、ストップモーメント!」
篠崎「え、自分ですか?」
巧は不審者扱いされていることに気づいたのか低姿勢になった。
野島「そうよ、ここはガールズスクール女子校よ。ボーイのあなたがホワットアーユードゥーイング?」
篠崎「あ、ああ、ここの野球部に幼なじみがいてコーチを頼まれているんです。」
野島「ベースボールクラブ?ああそう、じゃあ行くといいわ。」
篠崎「(意外とあっさりだなあ)では、失礼します!」
巧は再びグランドへと走り出した。
篠崎「さて…」
校舎の脇を抜け、校庭に出たが、野球部員らしき姿はなかった。
篠崎「なんだ、まだ始まってないのか。」
ここで巧はあることに気がつく。
篠崎(俺どこで着替えんの…)
当然部室はあるだろうが、そこは女子だらけ。外で着替えるのに抵抗はないが不審者扱いされる可能性は大いにある。