野球しようよ―第1部―
□4章 腕を組んで
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さらに1週間が経った金曜日。いまだに入部希望者は現れていなかった。
高城「あーすかちゃん♪」
亜樹が満面の笑みを浮かべて明日香の隣の生徒の席に腰掛けた。
倉持「あ、あきちゃおはよう。何かあったの?」
高城「亜樹ね、野球部入ってもいいよ!」
倉持「えっ!?でもテニスは?」
高城「辞めちゃった♪」
倉持「テニスあんなに好きだったのに…」
高城「だって先輩たちやる気ないんだもん!」
亜樹は口を尖らせて言った。確かに亜樹の言う通り、秋女のテニス部は幽霊部員が多く学校内でお荷物と言われかねない存在となっていた。
高城「明日香ちゃんは嬉しくないの?」
浮かない明日香の表情を不審に思った亜樹は顔を覗き込みながら尋ねた。
倉持「そりゃあ入部してくるるのは嬉しいけど…本当にいいの?まだ人数も揃ってないのに。」
高城「もちろん!私たち友達でしょ?友達と一緒に何か始めるって素敵じゃない?」
倉持「あきちゃ〜!」
亜樹の言葉が胸に沁みた明日香は亜樹に抱きついてしまった。
高城「そうそう、ゆきりんもマネージャーとして参加したいってさ!」
まずは3人目として高城亜樹、4人目てしてマネージャーではあるが柏木由紀の参加が決定した。