野球しようよ―第1部―
□1章 プロローグ
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「3−2で八王子第四中の勝ち、礼!」
「ありがとうございました!」
試合を終え、帰り支度をする少女たち。
倉持「負けちゃったね…」
仲川「うん、もう少しだったんだけどね。」
中学生活最後の夏、倉持明日香・仲川遥香らが所属する区立秋葉原中学野球部は準決勝敗退という形で幕を閉じた。
倉持「でも正直ここまでやれると思ってなかったよ。」
仲川「男の子には負けたくなかったもんね。」
2人は女子でありながら野球部に所属し、明日香はショート、遥香はサードのレギュラーとして活躍してきたのだった。
仲川「もっちいは高校どうするの?」
倉持「さすがにお父さんが高校で野球やるのは許してくれなかったから、将来を考えて秋女かな。」
仲川「だよねー。はるかも秋女行こうかな、近いし。」
倉持「えー、はるごんそんな選び方でいいの?」
仲川「いいのいいの、パパも好きにしなさいって言ってるし。」
私立秋葉原女子学園、通称秋女。大学進学に定評がある高校である。
そしてこの物語の舞台となる高校でもあるのだ。