lovesick


□第35話
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「見えてきた!樹海だ!!」


前方でナツの声がした。

屋敷を出たときはルーシィに引っ張られていた私も、今や立場は逆転しており遅れがちなルーシィを引っ張りながら走っている。


「お姫様だっこしてあげようか?」

「僕は手をつないであげる。」

「オレから離れんじゃねーよ。」

「うざい!!!」


ルーシィが叫んだ。

青い天馬のホスト三人組はわざわざ速度を落として遅れている私たちのもとへ来てくれて。

行為自体は優しくありがたいものだが、…できれば黙ってしてくれた方が好感がもてる。

一々反応していると長引きそうなので前だけ見て走っていると、頭上に影がさした。

影と共に轟音ともいうべき音が鼓膜を震わせ思わず足を止める。


「あ……。」


視界に入ったのはペガサスを模した飛行艇クリスティーナ。

それが悠々とまるで本物のペガサスのように空を飛んでいた。


「おお!!」

「すげえ!!!」

「あれが噂の…天馬!!!」


クリスティーナの迫力に各々が感嘆の声をもらす。


「え!?」

「そんな……。」

「クリスティーナが……!!!」


しかし突然クリスティーナが炎上した。

炎はクリスティーナをみるみる覆っていき地へと誘う。

ペガサスが地に落ちていく光景を見るのはあまり気分のいいものではない。

落ちてくる破片を避けていると、煙の中に人影が見える。

砂煙がだんだんとおさまりその姿が明確になった。

連合軍内に緊張感が漂う。



「六魔将軍―オラシオンセイス―!!!!」


ヒビキに見せられた映像とまったく同じ六人がそこにいた。




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