lovesick


□第33話
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しばらくして、森が開けた場所に建物が見えた。

ハートをモチーフにしたこの別荘は青い天馬―ブルーペガサス―のマスターボブのものだというのはすでに知った話だ。

中に入るといきなり電気が消えて一か所にスポットライトが当たる。

前から思っていたのだが誰が操作しているのだろう。


「妖精の尻尾のみなさん、お待ちしておりました。
 我ら青い天馬(ブルーペガサス)より選出されしトライメンズ。」


スポットライトの光は絞られ真ん中の一人にあたった。


あ、このときわざわざ一人一人に当てられていくんだ。


「白夜のヒビキ。」

「聖夜のイヴ。」

「空夜のレン。」


「か…かっこいい…!」

「(……キャラが濃い。)」


どうしよう確かこれ序の口だったよね。あとからもっとすごいの現れたよね。

くそう。こんなところに落とし穴があるなんて…!

そんな現実逃避をしているとふいに肩に誰かの腕が回された。


「さ、君もこっちに。」

「え?」


連れてこられたのはエルザたちが座っているソファ。

促されるまま座るとお酒(水割り)が出されたが飲めないからと断る。



「あ、ソーサラーで連載やってる子だよね。
 僕君の料理食べてみたかったんだぁ。」

「作戦が終わったらお祝いに作りますよ。」

「グラビアもやってたよな。きれいすぎるだろ。」

「あれはプロのおかげです。」

「顔色が良くないね。少し眠るかい?ずっと傍にいてあげるから。」

「ただの乗り物酔いなのでお気になさらず。」


淡々と淡々と答えを返す。

しかし心の中では生ホストだ、とけっこう関心を持ってる私。

まぁ心の中なんてこのなかの誰にもわからないので、あまりに自然に受け答えをする私にルーシィたちは驚いていた。


「ね…ねぇエルザ。ミオおそろしいほど普通ね。」

「ああ…なんというか、慣れている…な。」

「(ギルドにも色んなお客が来るからね。)」


仕事で酔っぱらいの相手もすることは多くそのうえで培われたものだ。

あとで愉快な勘違いをしていそうあ二人に弁明しておかないと。


「さあ…長旅でお疲れでしょう、今夜は僕たちと…。」


「「「 フォーエバーv 」」」

「「「 ………… 」」」




「君たち、その辺にしておきたまえ。」



その声が聞こえた瞬間、私は身構えた。

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