lovesick


□第31話
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しかしかかった時間は思いのほか長く、空は夕日も傾き始めオレンジと紫のコントラストを鮮やかに描いていた。



そのとき、ボロボロのマントが私のすぐ横を過ぎた。フードを深くかぶっていたが、その顔には見覚えがある。

そう、こちらの世情を知っておこうと読み始めたギルドにおいてる新聞で。

私は男性が歩いていく方向を振り返った。


「西……」


私は来たばかりのころ叩き込んだ地図を思い浮かべた。


マグノリアの西。



確か―――――…



「アカリファ…だっけな。」



今日はルーシィの好きなものでも作ってあげよう。

そうやって足を向ける方向を市場に変えながら、私は冷蔵庫の中身を思い浮かべた。




「ただいまー。」


ルーシィの返事は聞こえない。

姿も見えない。その代わりベッドが膨らみを主張していた。


「ルーシィ。何か食べられる?」

「…食欲ない。」

「わかった、ガッツリね。」

「一言も言ってないんだけど。」


体調が悪くないと知っているのに、ご飯を出さないだなんて台所を任せてもらった以上絶対しない。

それにルーシィは明日アカリファで黄道十二門を何回も開くのだ。

エネルギーはためておいてもらわないと。

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