lovesick


□第28話
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*


楽園の塔から帰ってきてマスターと話したとき。

あれにはまだ続きがある。






『ミオ。その《魔力の泉》特有の体質は決して人の目にふれさせてはならん。』


涙がおさまったとき、最初に聞いたのはマスターのその言葉だった。


『もしそれが広まった場合、お前さんは色んな奴らにその力と体を狙われる。』


ごもっともだ。

私の力―ゼレフの魔法―のことを知れば、回りの反応は主に2種類に分けられるだろう。

一つ目は、力に恐怖するもの。

二つ目は、力を得ようとするもの。

力を得ようとするものはきっとどの世界にもいると思う。



みんなは、

みんなはどうだろうか。

離れていくだろうか。

チームのみんなに関しては間近でデリオラを感じたのだ。

グレイはそのデリオラのせいで街を家族を――師匠を失った。

私は―――


『あんなことを言った後で悪いが、皆にもまだ言わんでくれるかのう。』

『あ…。』


マスターの声で私は我にかえる。

眉尻を下げて申し訳なさそうにマスターは言った。

私はそれに首肯した。




申し訳ないのは私のほうだ。


私はひどく安堵していたのだから。





言わなくて、いいのだと。

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