lovesick
□第28話
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「術式ですね。」
ぺた、と私は見えない壁に手を置く。
ミスフェアリーテイルコンテスト中に起きた石像事件(私命名)。
原作通りギルドの皆は外へとラクサス達を探しに行った。
私は少し脇に逸れて成り行きを見ながら、たった今出てきたという次第である。
間違ってもみんながいるときに術式にふれないためだ。
念のためと何にも無いはずのギルドの入り口に手をつければ、術式に手が触れる。
「ミオ!お前も出られねぇのか!?」
「ナツ。…うん、そうみたい。」
「お前80歳以上だったのか!」
ナツが私の肩を掴みながら驚いた顔でこちらを見る。
これはおそらく私が《魔力の泉》だからだろうな。
ゼレフが400年くらい前の人物なら、私もそのくらいと考えたほうがよさそうだ。
勘違いされる前に言っておこう、魔力だけだ、体と心は18歳だ。
「ちがうちがう。私の魔力、ちょっと特殊なんだ。」
「そういえば魔法使えるようになったんだな!
花火上がったときはびっくりした!!」
「あ、うん。…ナツ、ゆすらないで。」
首がガクンガクンしてる。
そんな揺れる視界の中でもマスターが顔を歪めたのはわかってしまったけれど。
「ミオ。なんとかできんか?」
「やろうと思えばできるかと思いますけど、そうするには還さないと…」
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