lovesick


□第23話
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夢にも色々ある。

はじめから夢だとわかるものと、そうでないもの。

ひどくリアルなものと、そうでないもの。

今回見る夢はその全部だった。




目を開けると私は部屋で過ごしていた。

部屋といっても今住んでいるルーシィの部屋ではない。

正真正銘もとの世界の私の部屋だ。

音は無い。ただある感覚は視覚だけ。それにうつる私の部屋は記憶と寸分の違いも無い。

何をしているかと問われればまだ発売していないはずのFAIRYTAILだった。

この世界にとんできたあの日に読んだ巻の次の巻だ。

全く悪い冗談だ。今私がいるのはその世界だと言うのに、夢の世界の私は何を呑気に読んでいる。

…たしか私はグレイに御礼の言葉を言ったあと、眠ってしまったんだっけ。

ならばこれは夢か。

いや、それともこちらが本当の世界で今までがゆめだったのか。

…そういえばどこかの巻のあとがきにエルザ編には『胡蝶の夢』の設定を織り込もうと考えていたとか書いてあったな。

便乗したのか私。タイムリーすぎるだろ私。





そんな考え事をしていても不思議とマンガの内容は頭の中に入ってきた。

そして驚いたことにどうも私が最後に読んだ巻の続きになっている。

夢のなかの漫画なら私の想像が影響されているかと考えたがそうではなく、ちゃんとした続きという感じだ。



――新しい巻が出る度に見るのだろうか



半信半疑でありながらも、とりあえず覚えて後で確認すれば良いことかと私は神経を漫画に集中させるのだった。



そしてこの予想が当たっていたとわかるのは、まだ先のこと。



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