lovesick
□第19話
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「ん…」
目を開ければそこは知らない部屋だった。
起きようと身体を動かそうとするけれど力が入らない。
目だけを動かして自分の状況を把握しようと見ると
私はベッドに寝かされて両手を頭上で鎖につながれているらしい。
必死になって記憶をたどる。
――ああ。カジノでやられて…
ということは、ここは楽園の塔か。
「やっと起きたか?」
声がするほうへ視線を向ける。
見えたのはフードをかぶった男がこちらに来るところだった。
「ジェラール…」
「ふっ…。どうやらオレのことを知っているのは本当のようだな。」
私は鎖を引きちぎろうと腕に力を込めようとする。
「あ…れ?力が入らな…」
「やっと気づいたか」
「何をしたの!!」
ジェラールがベッドに乗り私に跨がって見下ろしてくる。
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