lovesick
□第12話
2ページ/5ページ
その言葉にフェアリーテイルのメンバーは驚きを隠せない。
レビィはもうとめどなく涙をこぼしている。
「多分あいつがミオを…!
私たちのほうが先に会っていたら魔法の使えないミオが
襲われることなんて無かったのに…!」
「なか・・・ないで・・・」
「「「ミオ!!!」」」
そのときうっすらとミオが目を開けた。
だが焦点が定まっておらず、虚ろな目をしている。
「レ…ビィ。そこに…いる?」
「いる!いるよ!」
「あぁ…無事で…よかった。」
そしてミオは目を閉じた。
このとき、マカロフとエルザとルーシィとグレイとレビィは理解する。
――ああ。ミオは知っていたんだ、と
恐らく襲われる予定だったのはレビィたちで、
ミオは何らかの方法でそれを変えようとしたのだと。
『やらなければいけないことがあるので』
マカロフは昨日のやり取りを思い出す。
「ミオよ。これがお前のやりたかったことなのか。
これが答えなのか。」
それは誰にも聞き取れないような無声音のつぶやき。
「ボロ酒場までならガマンできたんじゃがな…
ガキの血を見て黙ってる親はいねえんだよ。」
杖が折れる。
「戦争じゃ。」
それは何かの始まりを宣言するような音であった。
.