lovesick


□第10話
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*


『おつかれさまですウルさん。そしてありがとうーー・・・』


私はその手にすくい取っていた水を戻そうと手を広げようとした。

そのときだった。

パアッと水全体が光る。


『なっ・・・何!?』


水はまるで雨が逆に降っているように1滴1滴宙に浮いていく。

そしてそれが集合していきまたパアッと光ったかと思うと

何かに引き寄せられるように私の口の中へと入っていった。


『−−っ!??』


あの出来事については何もわからない、

特に体に何の変化もなく、どうしていいのかわからない。

私はのど元へと手を持っていきそこをさすった。





*




翌日。依頼(正式に受理されていない)が終わった私たちは

ガルナ島の悪魔達のご好意による追加報酬の鍵だけをいただき

ガルナ島をあとにした。

今はエルザがどこからか奪ってきた海賊船に乗っている。


「そういえばエルザはどうやってガルナ島にきたの?」

「近くの海賊達の船にのせてもらった。」

「あはは・・・。」


さすがエルザと小さくルーシィはつぶやいていた。


「ミオは?」

「うーんと。ゴミ置き場においてあった舟が浮いたから
 行けるかなと思ったんだけど途中で沈んじゃって・・・。
 まぁ後は走って」

「!?走ったの!?泳いだんじゃなくて!。」

「うん。」

「海の上を!?」

「うん。」

「で魔法使えないの?」

「うん。」


ルーシィはおろかエルザまで面食らった顔をしている。

私も走れたときは面食らった。


「どうしよう。あたし魔法使ってもミオに勝てる気がしない。」

「言いすぎだよ。」


アクエリアスとか出されたら勝てるきしない。


「いやミオの身体能力には私も驚かされてばかりだ。」

「ああ、そういえば。」


私は服をまくりあげ肋骨が見えるようにした。

そしてそこにはフェアリーテイルの紋章が鮮やかにある。




「今日から私もフェアリーテイルの一員です。」



「おぉ!!」

「きゃあぁっ!!」


海の上を驚きと喜びの混じった声が響いた。
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