lovesick


□第9話
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私のせいでーーー・・・

“傷つかなくていいように。泣かなくていいように
 みんなに笑ってほしいから。”




“精一杯守ろうーーー・・・”



そうだ私があきらめてどうする。

決めたじゃないか。守ろうと。


みんなのことが“大好きだからーー・・・”。


「これで全て終わりだ!!」



間に合うか・・・!!



「アイスド・・・」



間に合って!!!
















ガシャァァァァァァアアッ!!




氷が少し砕け冷気が漂う。

視界も少しばかり悪い。ほこりも舞ってるようだ。

そんな私の目に一番初めに映りこんだもの

それは驚いたグレイの顔で、私はグレイに馬乗りになっていた。

そして絶対氷結の構えを取らせないよう

手首を地面に押し付ける。


・・・なんとも誤解を生むような体勢だ。


「離せよ!死ぬ覚悟だってできてんだ!!」

「こんなところで無駄死にか!わざわざ絶対氷結を
 溶かせる状況がそろってるこの島で・・・!!」


グレイが思い出したように目を見開く。


「そんなに死にたいなら、私が殺してやる・・・!!
 だからそれまで生きてろ・・!!」

「別に死にたいわけじゃ・・・」


そうして私はグレイの上から降りる。


「ミオ・・・」

「死ぬことが決着じゃないでしょう?
 ・・・逃げないでよ。」

「・・・悪ィ」


そして私はグレイのわき腹に手を置く。

もうすぐここに氷の剣が刺さる。

でも、そんなことを話しても信じてくれないだろうし

信じてくれたとしても、それでも

グレイはリオンを説得しようとするだろう。


だから私はこれしか言えない。



「がんばって。」

「言われるまでもねぇ。」


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