lovesick


□第7話
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ドシャアアアァァァァ!!



そんな音が頭に響く。

砂が宙を舞って何も見えなくなる。

すると目の前から声がした。


「何!?なになになにっ!!?」

「新たな敵かっ!!」


そうしてようやく砂が晴れ、視界が良くなる。


そこにいるのは、ルーシィとエルザ。

お互い認識しあうと、


「お疲れ。」

「「ミオ!!」」


と言葉を交し合ったが次の瞬間

エルザにすごい形相で睨まれた。


「貴様・・・なぜここにいる。」

「少しでもいい状況にするために。」


それにギルドにいるほうが危ないし。と私は呟く。

幸い誰も聞いていなかった。


「とにかく、全員そろい次第帰還する。
 それ相応の覚悟はしておくんだな。」

「嫌。まだ帰れない。」

「なに?」


後ろでルーシィがひぃぃ!、と身をすくめる。


「まさか、お前もこの村を救いたいとか言うんじゃないだろうな。
 わたしはーーー」


「興味がない。
 生憎私はそこまで善人じゃない。
 この村のことなんてほっとけばどこかのギルドが
 解決してくれるでしょう。」

「そう思ってるならなぜ・・・!」



「必要なことだからよ。」


エルザの動きが止まる。

けれど私は続ける。


「ここでの出来事が必要なことだから
 まだ帰れない。」


そして短い沈黙が訪れる。

最初に口を開いたのはエルザだった。


「とにかく村に行こう。
 話はそれからだ。」
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