lovesick


□第5話
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「「「ようこそっ!フェアリーテイルへ!!!」」」

「へ?」


突然、大量のクラッカの紙があたりにちらばる。

目の前にはクラッカーをかまえていたり、それぞれの魔法で

お祝いの言葉を書いていてくれている。

ギルドのメンバーほぼ全員といってもいいほどの人数が目の前にいて

私はつい変な声を出してしまった。

少しの間呆けていると、みんなが寄ってきてくれる。


「へへっ!サプライズ成功だな!」

「何・・・これ・・・」

「グレイがねー。この前悪いことしたからせめてもの・・・
 みたいな感じで企画したのよ!
 本当、ミオが“知らなくて”良かったわ!」

「ちょっ!言うなよ!!」


目の前では、満面の笑みを浮かべるナツとグレイをからかうルーシィ、

そして少し顔を赤くしたグレイがいる。


「グレ・・・イ。」

「その・・・なんだ。記憶ねぇーってのは人一倍心細いもんがあるかと思ってよ。
 まぁ、今日からここがお前の家でみんな家族だと思えばいい
 ってゆーきっかけになればと思って・・・。
 あー!何言ってんだオレ!!」


しどろもどろになりながら説明してくれている。



何だこれーーーーーー


家族だって誕生日にもこんなこといてもらったことないのに・・・。
なんて・・・





なんて温かいーーーーー・・・。






視界がにじむ。
何かが頬をつたう感触がする。


「あ・・・れ?」

「お、おい!?何泣いてんだよ!!」

「ちが・・・うれしくて、どうしよっ止まんな・・・」


涙が次から次えとあふれて
何もいえなかった。



「あー!グレイが泣かせたー!!」


ハッピーが飛び回って言いふらす。

まわりからはからかう声が聞こえて、グレイは慌ててるっぽい。

そのとき、頭に手が置かれた感覚があり、


「いつまで泣いてんだ。笑えよ、主役だろ?」


顔を上げるとみんながこっちを見て力強く笑っている。

私は涙を指でぬぐい、同じくらい力いっぱいの笑顔で応えた。


「はい!!!」




やることは決まった。やりたいことも決まった。

これから先、例え命は助かろうともみんなは傷つくのだ。

涙を流すのだ。それを知っているのは私だけ。


ならば精一杯守ろう。傷つかなくていいように。

泣かなくていいように。みんなに笑ってほしいから。

幸せになってほしいから。みんなの笑顔を守りたいから。

今この場にいる人はもちろん。これから仲間になっていく人も・・・」



みんな







大好きだからーーーーーー。



To be continued.
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