lovesick


□第4話
3ページ/6ページ


「大丈夫です。ナツが行ってしまった以上、少し時間はかかりますが、
 “罰”をうけることはありませんよ。」



・・・すごい眼で睨まれてしまった。

やっぱりこの怪しさ満天の発言はまずかっただろうか。

グレイが私のほうへ歩いてくる。


「勝手なこといってんなよ?何を根拠にそんな・・・」


まぁ、言ってしまったことは言い直せないので私は言葉を続ける。




「知ってるから。」





「今回の逮捕が形式上だけであることを私は知ってる。」




グレイが方眉をピクリと動かし私から1歩距離をとった。


「何のためにそんな・・・。」

「あのね。私は駅や線路や定例会場の洋館を壊しておいて 何もないほうがおかしいと思うけど。」


そんなことを言ったらグレイは黙ってしまった。

彼なりに納得したのだろう。

しかし、私が一番触れてほしくないところを彼は無視してくれなかった。


「何でお前そんなことを知ってるんだ?」


あちゃー。とか思っていると口が勝手に動いていた。


「知ってるから。」


・・・なんかこれ決め台詞みたいだな。

よし、そうしよう。

あんま格好良くないけれど。そこでもう一つ調子に乗ってみた。





「私は何でも知っている。」







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ