lovesick
□第4話
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「大丈夫です。ナツが行ってしまった以上、少し時間はかかりますが、
“罰”をうけることはありませんよ。」
・・・すごい眼で睨まれてしまった。
やっぱりこの怪しさ満天の発言はまずかっただろうか。
グレイが私のほうへ歩いてくる。
「勝手なこといってんなよ?何を根拠にそんな・・・」
まぁ、言ってしまったことは言い直せないので私は言葉を続ける。
「知ってるから。」
「今回の逮捕が形式上だけであることを私は知ってる。」
グレイが方眉をピクリと動かし私から1歩距離をとった。
「何のためにそんな・・・。」
「あのね。私は駅や線路や定例会場の洋館を壊しておいて 何もないほうがおかしいと思うけど。」
そんなことを言ったらグレイは黙ってしまった。
彼なりに納得したのだろう。
しかし、私が一番触れてほしくないところを彼は無視してくれなかった。
「何でお前そんなことを知ってるんだ?」
あちゃー。とか思っていると口が勝手に動いていた。
「知ってるから。」
・・・なんかこれ決め台詞みたいだな。
よし、そうしよう。
あんま格好良くないけれど。そこでもう一つ調子に乗ってみた。
「私は何でも知っている。」
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