lovesick
□第3話
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「名は?」
「ミオ・・・」
「なぜこんなところに?」
「・・・わからない。」
苗字を言ってしまうと異国(ていうか異世界)の者であることがバレてしまう。
なので、そこは名前のほうだけ答え後の質問にはわからないと答えた。
そんな質問をいくつかされて、緋色の髪の彼女は後方に待機している彼らのもとに行って何かを話ひ始めた。
そして、どうやら私は記憶喪失と思われたらしい。
私自身、この先この世界で1人で生きていける自身はない。
私の中のフェアリーテイルとこのフェアリーテイルが一緒なら保護してもらうのが安全だろう。
「お願いします。私を拾ってください。」
・・・犬か。とまあ1人で突っ込んでみたところで時間が戻るわけでもないので私は体を起こして手を地面につき頭を下げた。
ふと肩に手を置かれる感触。
顔を上げればそこには優しく笑みを浮かべた老人。この人がマスターマカロフだろうかと見当をつける。
「訳アリのようじゃな。安心せい。
フェアリーテイルに来るといい。
今日からギルドがお主の家じゃ。ミオ。」
そんな簡単にいいのかとツっこみたくなるが、その寛大さに救われたので黙っておく。
「ありがとございます・・・」
そういって深く頭をさげる。再び顔を上げると皆が気まずそうに私から目をそらしていた。
「あの・・・どうかしましたか?」
全員が一斉に私の体を指差す。
私はその方向に目やった。
「ひっ…!!」
裸だった。
正直いってあまりこういうことに恥じらいは感じない。
ただ、おどろいた。
そういうふうにできているのだ。私は。
わたしはかけられていたであろうコート(恐らくはグレイの)をお借りすることにした。
袖の部分を腕の下に通し、そのまま前にもってきて結ぶ。
それからチャックを閉めて完成。
恐らくは戦闘で破れたのであろう思われる箇所がいくつもあるが大事には至らないので、よしとする。
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