lovesick
□第8話
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「グレイ!手!」
「あ?」
次の日。グレイが目覚めエルザのいるテントに入り
剣を握ったその手は私は出すように言う。
「こんなの唾つけときゃ治る。」
「馬鹿じゃないの。傷口から変な菌が入ったら治りが遅くなる。
つまり仕事に支障がでる。
仮にも働いてるんだから体調管理なんて基本中の基本でしょ。ただでさえ力仕事が多いのに。」
「わ・・・悪ぃ。頼む。」
グレイは物怖じしたように私に手を差し出した。
私はそれを村からもらっておいた治療セットを使い処置する。
「でも・・・」
「ん?」
「かっこよかった。」
グレイは一瞬キョトンとした顔をしていて、少し顔を赤らめた。
「・・な!おまっ!何言ってっ・・・!」
「はい。おしまい。」
わたしは最後の仕上げとばかりにキュッと包帯を結ぶ。
「・・・手慣れてるな。痛くねぇし。
だからといって動きにくくもねぇ。完璧だ。」
グレイはそういって手の動きを確かめてる。
「これでも大病院の後取り娘だったからね。」
「え?」
「ほら行こ。」
そして私達は遺跡へ向かうのだった。