lovesick


□第24話
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「ごふっ…!」


グレイが私の視界の端で咽た。

赤くなったり、青くなったりしている。

そして目を見開いて私を見た。

視線を移せばエルザのほうも赤い。


…これ、エルザが考えてることのほうがずっと過激なんだろうな。


「たぶんエルザが思っているようなことはしてない。」

「私は何をされたと聞いたんだ。
 だって明らかにこれは…」


エルザが私の服を引っ張り問題の箇所を見えるようにする。

私の体を拭いていたルーシィは早々に避難だ。

ちくしょう。



「これは…キスマークだろう!!」



絶対年頃の女子が大声で叫ぶ単語ではないと思いながらため息を吐く。

私は仕方なくことの詳細を話した。もちろん《魔力の泉》云々は省いてだ。

なぜジェラールがこのような行為に至ったのかについては


「嫌がらせでしょう。
 きっとみんながこんな風に混乱するのを狙ってたんだよ。」


と答えておいた。

いやあ、今日はよく舌が回るな。


「というわけで全然たいしたことじゃない。」

「しかしキスをされて挙句の果てには、そんなモノまでつけられているじゃないか!!」


…キスは省けばよかった。

回りすぎだろ、私の舌。

しかしこれしかされたこと無かったんだ。

これを省けば内容薄くなって逆に怪しまれる。


「例え、肌と肌の(唇と唇の)一瞬の接触だとしても…」

「え?」

「「え?」」


エルザの言葉が多少ズレていることに反応してしまった私。

その私にみんなが反応する。

やばい。墓穴掘った。


「…まさか。」


エルザの肩がわなわなと震え、手に魔法剣を換装し私の喉にむける。



「舌でも入ってたんじゃないだろうな。」



エルザが恐い。


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