lovesick
□第3話
3ページ/3ページ
「あれ?普通に羽織らないんだ。」
「丈を長くしようと思って。」
コートだし男物だし充分な長さにも思えるのだけれど、それでも不安は不安なのだ。
いくら私に恥じらいがないとはいえ、捕まるのは遠慮したい。
「あの、えとお借りします。」
私はグレイに頭を下げた。
うーん。洗って返すべきだよな。
でも、どうやって?
「いい。別にそんなの。」
この状態でも私にまだ目をあわせてくれない。
「あ。名前。グレイ・フルバスターだ。
よろしくなミオ。敬語もいらねえよ。」
それを皮切りに自己紹介がどんどん始まる。
そして私はふとこれはいつの時間軸なのだと考えた。
エルザの鎧を見て、そうも私がいた世界のマンガの進行とはズレているらしい。
私は必死に記憶を探る。
そして、この5人と1匹が一緒にいるところを見て1つ思い当たる話があった。
「グレイ。ここ、額を見せてほしい。」
「いいけどよ。何でだ?」
そういいつつも髪をあげて見せてくれる。
そこに、
傷は、なかった。
ということは、悪魔の島以前だろうか。
「・・・ララバイは?」
「!!知っているのか。ララバイなら先ほど戦闘してきたところだが。」
・・・なんということだ。
どうもこの時間軸は私の知っている3巻のところらしい。
えー。でも先がわかっている方が対処しやすいと考えれば幸運なことだ。
「では行こうか。フェアリーテイルへ!!」
.