Chocolate Assort

□麻薬
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リーマスを一言で表すのなら“麻薬”彼はそんなヒト。

わたしは愛の妙薬なんかよりも よっぽどキケンなものに手を出してしまった。
彼と過ごす時は 甘くて、優しくて、まるで溺れていくような心地がする。

抱かれることの喜びも、わたしはリーマスに教えられた。


「あっ…ん…も、無理…」

「はっ…まだ、だよ…ッ…アヤメ…」


彼とこんな関係を続けている理由…
きっとわたしは、シリウスを頭から追いやってしまいたかったんだと思う。
それと、ほんの少し芽生えた復讐心。

だから、リーマスの誘いは、わたしにとって あの日感じたどんな匂いよりも甘かったのだ。



「一緒にイこう、アヤメ…」



リーマスから与えられるものは、なにもかもが 初めてだった。


啄ばむような甘い キスも―――…

壊れモノを扱うかのような 愛撫も―――…

絡み合う指先の 熱も―――…

飽くことなく繰り返される 愛の言葉も―――…


愛を渇望していたわたしが、差し出される餌に夢中になってしまうのに そう時間はかからなかった。



「…リーマス、イっちゃ…う…」

「大丈夫、僕が…っ…ついてるから…」


リーマスの余裕のない笑顔が嬉しくて ギュッと彼の背中にしがみつく。
砕けそうなほどに 身体を揺さぶられて、わたしは果てた。


「くっ………」


直後にリーマスの精を 最奥に感じる。
その熱さに、思わず顔が綻んでしまうのがわかった。
彼は絶対にわたしを裏切らない。


「愛してるよ、アヤメ」

「わたしも…」


シリウスはこんな風に囁いてくれないし、微笑んでくれない。
行為中に目を合わせてくれさえしない。


もういっそ、このままリーマスと付き合ったほうが幸せなんじゃないかな?
彼は誰よりもわたしを満たしてくれる。
そう思っているのに…



シリウスから離れられない ズルい自分が 乱れたシーツに転がっていた―――…
 
 
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