企画もの

それぞれのメリー
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本日は年に一度のクリスマス。
四天王たちはグルメサンタに扮するべく、マンサム所長に招集をかけられていた。
各国へ出発するために関係者達が慌しく準備をしているさ中、四天王たちの呟きが炸裂していた。


トリ「ガツガツ配るぜ〜」
サニ「んなの言われなくてもだし」
ココ「喜ぶ子供達の顔が楽しみだよね」
トリ「何て言っても、年に一度のクリスマスだしな!」
サニ「そ。クリスマスだし」
ココ「そうだね。クリスマスだよ」
トリ「・・・」
サニ「・・・」
ココ「・・・」
トリ「あー・・・」
サニ「んだし?」
トリ「何か言いたい事とかあるんじゃねーの」
ココ「そう言うトリコはどうなんだ?」
トリ「有ると言うか無いと言うか」
サニ「どっちだし」
トリ「まぁ、クリスマスだよな」
ココ「クリスマスだね」
トリ「年に一度のな」
サニ「何度も有ってたまるかっつーの」
トリ「・・・」
サニ「・・・」
ココ「・・・」
トリ「あー・・・」
ココ「何なの一体」
トリ「いや、みんな良く集まったなって」
サニ「しょがねーし。IGOの招集だし」
トリ「まぁそうだけどよ・・・」
ココ「ボクは占いで分かってたけどね」
トリ「マジで!?」
ココ「マジで」
トリ「だったら一言連絡くれたって・・・」
ココ「え?」
トリ「ああっ!くそぉ〜!!」
サニ「おま、何ムキに・・・」
ココ「あ・・・予定とか入れてたんだ?」
トリ「・・・」
サニ「・・・だっさ」
ココ「ホント」
トリ「うるせーよ!」
ココ「何の予定?」
トリ「聞くなよ!」
ココ「あぁ。彼女と?」
サニ「おま、それ以外に何が」
トリ「くっそ〜」
サニ「しょがねーし。・・・まさかそれでケンカしたとか」
トリ「してねーよ」
ココ「じゃあ良いじゃないか」
トリ「良くねーよ!」
サニ「何が」
トリ「だって普通よ?こんな一大イベントの日にドタキャンされたら怒らないか?怒るどころか一言『やっぱね』だと!」
サニ「おぉ?」
トリ「でもって『気をつけてね』ってよ?『別に気にしてないし』『そもそも最初から期待してなかったし』ってよ?!トドメは『早く行かないと遅刻だよ?』って手ぇ振って家に帰ってった・・・」
サニ「それ、ドライ過ぎじゃね?」
ココ「彼女らしいよ」
トリ「ドライ過ぎんだよマジで・・・」
サニ「つーか、ソイツ他に当てがあんじゃね?」
トリ「あ゛?何の?」
サニ「クリスマスに過ごす相手だし」
トリ「ケンカ売ってんのかお前?!」
サニ「ハ。受け止めるし。これは真実だし」
トリ「な訳あるか!有る訳ねーだろ!つーか有ってたまるか・・・てか無いと・・・思う」
ココ「え、最後聞こえなかった」
サニ「ちょ、んな凹むなよ!」
トリ「・・・オレ帰ろうかな」
ココ「落ち着けよトリコ。無いからさ」
トリ「ホントか?」
ココ「本当だよ。無いよ」
サニ「何で言い切るし?」
ココ「まず彼女はそう言う女性じゃない」
トリ「ココ〜!お前のそう言うとこ大好きだ!」
サニ「キショ」
ココ「そして占いでもそう出ている。・・・3%は外れるけど」
トリ「・・・」
サニ「・・・持ち上げて落とすなって」
トリ「まぁそれは良しとしてよ?アイツはオレが招集されるって分かってたっぽいんだよ!」
ココ「そりゃそうでしょ」
サニ「何で?女の勘か?」
ココ「いや、普通にボクの彼女経由で連絡が」
トリ「え。」
ココ「だから、占いで分かってたから伝えたよ?」
トリ「ココ・・・お前・・・」
ココ「何?」
トリ「だったらオレに連絡くれたって・・・」
ココ「あぁ、お前の事はすっかり忘れてた」
サニ「コイツさりげなく毒吐いたな」
トリ「この日のためにアレコレ考えていたオレの努力って・・・」
ココ「うん。『水泡に帰す』ってやつ?」
サニ「おま、酷くね?」
ココ「酷くないよ」
トリ「恨むぞココ」
ココ「勝手に恨まないでくれる?」
トリ「あーそーですか。良いよなココは占いで分かってたから、もうアレコレ済んでんだろうしな!」
サニ「アレコレっておま・・・そなのココ?」
ココ「アレもコレも良く分からないけど」
トリ「オコチャマ振るんじゃねーよココ兄さん?」
ココ「トリコ?ちょっと痺れてみる?」
サニ「待て待て待て!」
トリ「つーか一人で良い思いかよ〜」
ココ「してないって言ってるじゃないか!」
トリ「ずりぃ〜」
ココ「してないって!」
サニ「ちょ、ココ半泣きじゃね?!」
トリ「うぉ?!」
ココ「・・・」
トリ「あ・・・ケンカした?」
ココ「してないよ」
サニ「じゃあ何だし」
ココ「・・・彼女は『そういう日じゃない』って」
サニ「は?」
ココ「『クリスマスはとある方の誕生を祝う日だ』って」
サニ「た、確かにそだけど?」
ココ「『恋人がどうこうの日で無いのは確かです』って。もっと言えば『信仰していない私には普段と同じ日です』って」
トリ「・・・マジか」
サニ「バッサリやられたな」
ココ「ね、ボクの『クリスマス』って何時なんだろうね?」
サニ「ちょ、オレに聞くなって!」
ココ「あぁ『サンタ』って子供にしか見えないんだっけ?」
トリ「悪かった、悪かったよココ・・・」
ココ「別に悪く無いよ。心置きなく依頼をこなせるんだから良いじゃないか。そうだよ。ボクを待っている子供達がたくさんいるんだ。あ、何だボクがサンタじゃないか。それじゃ見えない訳だ。ハハハ。」
サニ「こ、ココが壊れそうだし!」
トリ「落ち着けってココ!・・・つーかサニー!お前はお前でどーなんだよ?」
ココ「そうだよサニー!お前は何でそんなに落ち着いていられるんだ?!」
サニ「別に」
トリ「あのちっこいのとは約束しなかったのかよ」
サニ「約束?別に約束するような事じゃねーし?」
ココ「それって強がり?」
サニ「強がってねーし。約束なんかしなくてもいつも通りどっか連れ回すつもりだったし」
トリ「相変わらず自己中だな」
ココ「でも連れ回せなくなったじゃないか」
サニ「まぁな。フツーに用事が入ったって言ったし」
トリ「・・・答えは?」
サニ「『家でケーキ食べるから良いよ』ってよ?」
ココ「・・・誰と?」
サニ「アイツの親だろ。毎年そうだってよ。クリスマスは何が有っても家族全員集まるってルールなんだとよ」
トリ「・・・」
ココ「・・・」
サニ「何だし」
トリ「・・・いや」
ココ「家族のルール・・・」
サニ「あ゛?」
トリ「アレだ。招集されなくても連れ回せないって事だ」
ココ「何が有ってもね」
サニ「・・・・・・」
ココ「招集される限り家族の枠外って事だ」
トリ「何時までかな」
サニ「・・・・・・」
トリ「まぁ良いじゃねーか!仮に招集されても文句言われねーし、招集されなかったらソイツの家でケーキ食ってプレゼント交換とかしてさ?」
サニ「子供かオレは!!」
ココ「良いじゃないか彼女もオコチャマだし」
サニ「やかましいっ!!」






所長「・・・やつら来年は来ないかも知れんな」
小松「・・・そうですね」
所長「・・・来年の対策を練っとくか」
小松「・・・そうですね」
所長「・・・いっそ恋人同伴なら」
小松「それは・・・別の方向から殺気を感じますけど」
所長「・・・」





メリークリスマス。




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