Dream
□屋上へと続く階段/一氏ユウジ
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ここにはいつも君が居る――...
放課後・私はいつも、無意識のうちにその階段を昇っている。
その階段を昇りきった先にある扉。
それをゆっくり、ゆっくり開く。
―――あの人に気づかれないように。
私の視線の先に居るのは
この笑いには日本一(?)厳しい四天宝寺中で一番笑いをつかむ人物。
つまりは、かなりの有名人。
3年生の一氏ユウジくん。
4月にユウジくんのクラスに転校してきた私は
なかなか学校になじむ事ができず
(今思えばなじもうと思うほうが不自然な話なのだが;;
朝は校門に野球のユニフォーム着てスライディングが常識(!!!))
大抵一人ぼっちで過ごしていた。
そんな私にユウジくんはいきなり得意のモノマネ(しかもかなりのハイクオリティ)
を見せて笑かせてくれた。
「〜〜わしゃセミか!!・・・・てどうやこれ!?校長のマネやで!!」
『すごいッ!!!めっちゃ似とる!!』
「よっしゃ!!じゃあ次はな...」
あの時、私すごい嬉しかったんだよ。
それから私は無意識にユウジくんを目で追うようになってしまって...
ユウジくんにとっては100人いるお客さんのうちのたった1人に過ぎないんだろうけど。