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□怖いの怖いのとんでいけ
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トリが家に書類忘れたっていうから、エメラルド編集部の入り口まで来ちゃいました。


が・・・




「おい、木佐。何をしている、さっき渡した書類のチェックはしたのか」

「や、やぁ、それはまだ」

「いいから早くやれ、最優先事項だ」

「は、はぁーい」


あーあ、トリ、眉間にシワよせまくりじゃん。


イケメンが台無しだよ、だ、い、な、し。




「?!」



うわ、バレた!?

いや、トリに書類を渡しに来たんだからバレたって言う表現はおかしいんだけど。



「吉野?」


あれ・・・?なに、その声?

さっきまで話してた声とは違う。

ちょっとだけ、甘くて優しい気がする。。

「呼んでくれたら下まで行ったのに」


「いや、いいんだ。はい、これ」


ーうわ、なんでだ、ただ喋ってるだけなのに


「助かった。ありがとうな。」


ーな、なんだよその笑顔、、、


「いーえ。で、今大丈夫なの?」


「いや、すぐ戻らないといけないんだ。すまないな。」


「ううん。いいよ。トリ、無理すんなよ?」


「ああ、ありがとう。しかし、お前は締め切りに間に合うように無理をしろ。」


「うるせーうるせー!!」

「まあいい。あと今晩お前の家に帰るから。」


「へ?きょ、今日?」


「ああ。じゃあな、また後で。」





ーそんな愛おしそうな顔、すんなよ



トリはまたちょっとだけ優しく微笑んで、編集部へ帰っていった。


誰にも見えないように、頭をぽんぽんってしながら、「いい子にしてるんだぞ」なんて言いやがって。




さっきまでの怖い顔はどこにいったんだよ。




恥ずかしいやらドキドキするやらで、俺はいてもたってもいられなくなって走って家まで帰った。







---





「起きろ。おい、吉野」

「ん、むにゃむにゃ・・」

「帰ったぞ。晩飯作ってやるから、座って待っておけ」

「ふぁい・・・」




あれ、俺何時の間に寝てたんだろ。



あーあ、トリ、昨日のクマまだ残ってるじゃん。再びイケメンが台無し。



俺んちでそんな怖い顔しなくていいのにな。




てか、トリに気が休まるときとかあるのかな?




いっっっつも頭ん中は仕事仕事責任責任なんて、頭おかしくなっちゃうんじゃないかと思う。いや、もう既になってるな。





「ねぇ、トリ、その・・・、しんどくなったら休まなきゃだめだよ?」

「何だ、お前がそんなこと言うなんて珍しいな。明日は雨が降るかもしれないな」


「ば、ばか!心配してんだよ!」


「そうだな、たまには・・・休まないとな」





そう言って、持っていた菜箸をおいて、トリはこちらに向かってくる。




「お前がいるだけで、俺は癒されるんだ」



「なっ、なんだよ!恥ずかしいこというな!」



その距離、約20センチくらいだろうか。


トリの、笑顔が、俺に向けられる。



少し悲しさを含んだような、優しい表情に、俺の心臓はばくばく言って止まらなかった。





ピルルルル








「あ、電話」

「はい、もしもし。羽鳥です。はい、はい、ああ、その件なんですが」




な、なんだよ。





急に仕事モードの声になった。


そう言えば俺が原稿を持っていった時も感じたんだ。





トリは他の人と話すときと、俺に話すときの声がほんの少し違うってこと。





俺に話すときは、ちょっとだけ優しくて、ちょっとだけ甘くて、ちょっとだけ、愛しそう、っていうか。。





ばっ、ばか、俺は何を考えてんだよ!!


それがどうしたって言うんだよ。べつに嬉しくなんかないんだからな!!




「千秋・・・」





また、その甘い声。



「い、いつのまに切ったんだよ」



心臓がばくばく鳴って、身体まで震えてくる。




「とっくに話し終えていた。」


「そ、そか・・・」


「好きだ」


「!」


「千秋・・・」


「っ、っん・・・」


さも愛おしそうに俺のほっぺを両手で包み込んで、ふれるだけのキスをおとす。




それからというもの、晩御飯を作っている途中だと言うのに、身体を重ねることに夢中になってしまった。






「ぁ、んん、トリぃ、も、やぁ…」


「千秋、ちあき、」


低くて甘ったるい声で俺の名前を呼ぶ。




いつもの強張った表情も、棘のある言葉も、今は全部溶けてなくなっていて。



俺の名前を呼ぶ声だけで、俺は何度も絶頂に達してしまいそうになる。



「あ、ぃっ、や、あ、あぁっ…!」


「なか、あったかいな」


「う…、トリ、トリぃ…」


「どうした」


「俺ね、トリの、甘い声好き。。」

「!」

「俺の前ではちょっとだけ優しくなるトリが、、すき。」


「・・・!」


「だから、」


「残念だが、もう優しくしてやれない」


「へ?っっひゃ、あぁ…、や、いゃぁ…!!」

---


「バカトリ。晩御飯冷めちゃってるよ。」

「仕方ないだろう。誘ってきたのはお前だ。」

「誘ってなんかないもん。トリのバーカ!カーバ!」

「・・・バカ?・・・カバ?」


う、うわ、えっちしたばっかなのに、もう眉間にしわよせてやがる。



「こ、怖いの怖いのとんでいけ!!」


「なんだその呪文は。」


「ん、トリの眉間のシワがなくなる呪文♪」


「よーーしーーのーー」


「(や、やばい)」


「覚悟はできているんだろうな・・・?」



「ひぇぇぇぇ!こ、怖いの怖いのとんでいけええぇぇぇぇ!!!」







END



あとがき



おくらばせながら、相互して下さったかなこさんへの捧げ物でございます。
駄文すぎて申し訳ないです、はい(´;ω;`)
あほっぽい千秋、そんな千秋に呆れつつも、ついつい甘やかしてしまう羽鳥。
そんな2人が大好きでうまく表現できたら・・・と思ったのですが、文章力がなさすぎて残念な感じになってしまいました。
ごめんなさいです(´;ω;`)


個人的には「大人っぽい千秋」にもはまってまして、最近の私めのサイトのトリチアはちょっと切な甘い感じになってしまっていますが、またいらして下さると嬉しいですvvあ、Brilliant Roseさんはもちろんのごとく1日何回もお邪魔してます!ストーカーです!はい!(笑)

というわけで、今後とも宜しくお願い致しますですm(_ _)m


→カナコの激萌え禿げ


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