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□カレンダー通りじゃなくたって。
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カレンダー通りじゃなくたって。
目が醒めたら、腕の中にあるはずの温もりが消えていた。一瞬背筋が凍ったのは、冬の寒さのせいではない。
慌てて部屋を見渡したら、あいつはすぐに視界に入ってきた。ホッとした。
昨夜の天気予報では、今日は1日雪が降るらしい。どうりで寒いワケだ。だけどあいつはこんな凍えるような寒さの中で、真っ白なシーツを体に1枚だけ巻いた状態で、窓辺に佇んでいた。
「律。」
ベッドの上から呼びかけたら、律はゆっくりと振り返り『おはようございます』と笑った。
「お前、こんな寒いのに素足でフローリングなんて無謀だろ。」
「確かにちょっと寒いですけど…………、そんなことより高野さん。外、見てくださいよ。」
俺にそう言うと、律は窓ガラスに指先を這わせ、再び視線を外に投げた。
取り敢えず手近にあったシャツとボトムを身に纏い、ニットのカーディガンを手に俺も窓辺に寄った。
「ほら、コレ羽織ってろ。」
「あ、ありがとうございます。」
真っ白なシーツに包まれた律の肩に、そっとカーディガンをかける。コレは、俺が律に選んでやったヤツ。
律の瞳と同じ緑色のカーディガンだけど、かけてから少しだけ後悔した。
真っ白なシーツに纏われた律は、まるで天使みたいだったから。
「ねぇ高野さん、早く外見てって。」
いつまでも律に見惚れて外を見ない俺に痺れを切らし、律が唇を尖らせて俺を睨んだ。
「あぁ、すまない…………」
律の言葉に従い窓の外に視線をやると、一瞬言葉を失った。
「ね、綺麗でしょ?」
何故か得意気にそう言う律に、俺はただ頷くことしかできなかった。
外は、雪が降っていた。
積もる程ではないけれど、白くて小さな結晶たちがひらひら………ふわふわ………
建物の屋根も、うっすらと白に染まっている。
空は灰色だけど、所々の雲の切れ間からは淡い光が差し込んでいた。
寒さも忘れてしまう律の気持ちが、よく分かった。
世界は、美しく………幻想的で…………
「綺麗ですね……………。冬の太陽って、あんなに優しい色だったんですね。」
「そうだな……………。」
しばらく、2人で窓の外に広がる冬の世界を眺めていた。
お互いに無言で、手だけ繋いで………。
《───ピピピピ》
どれくらいの時間、そうしていたのだろうか。
ベッド脇に置いてあるデジタル時計のアラームが鳴った。
時計のディスプレイの右上。
ソコに表示されている日付を見て、『あぁ…』と思い出した。
「あ、時計止めなきゃ…………」
「律。」
「え………ウワッ。」
アラームを止めにベッドに戻ろうとする律を、腕の中に閉じ込める。
「あ、あの………アラームが……」
「大丈夫。アレ1分経ったら自動で止まるから。」
俺が言った通りアラームは1分後に鳴り止み、部屋が再び静寂に包まれる。
「………止まりましたね。」
「………だろ?」
抱きしめた体勢のまま、唇をゆっくり律の耳許に寄せる。
「……メリークリスマス、律。」
そう囁いて頬にキスを落とすと、律は顔を真っ赤にして俺を睨んできた。
「……それは明日言うべき台詞です。」
「いいだろ、別に1日くらいフライングしたって。日本人は前夜祭が好きなんだ。だって元旦より大晦日のほうが何となく世間も盛り上がってるだろ?」
「そんなのただの屁理屈です。暦はしっかり守るべきです。」
律は小さく、可愛くそう憤慨すると、『ちょっとしゃがんで下さい』と要求してきた。
少しだけ腰を落とすと、律は先程の俺のように、唇をゆっくり俺の耳許に寄せてきた。
そして、囁いた。
「……ハッピーバースデー、政宗さん。」
そう刻んだ律の唇は俺の頬に…………………………ではなく。
唇に落ちてきた。
†END†
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高野さん、Happy☆Birthday
皆さま、本日は高野政宗生誕記念日ですね♪
いつも我々に極上の萌えを届けてくれる彼の生誕記念日を、盛大に祝いましょう!!
この小説は高野さんの生誕記念&皆さまへ今年1年の感謝を込めてお持ち帰りOKのフリー文とさせて頂きます!
期間は12/24〜12/31まで。
《自作発言NG》さえお守りくだされば、どなたでもお持ち帰りくださいまし♪リンク貼る必要はございません。
こんな駄作でよければ、どうぞお持ち帰りください♪
お持ち帰り報告も、気が向いたらで結構でございます♪
最後に重ねて、高野さんお誕生日おめでとー!
それでは本日はこの辺で
皆さまに愛を込めて
☆Merry Christmas&Happy New Year☆
【追記】
配布は2011年12月31日23時59分をもって締め切らせて頂きました。