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□我が儘言うなら、覚悟して。
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※管理人が変態につき、トリも若干変態。ご容赦を。




















吉野は最近、情事のあと機嫌が悪い。















「……吉野?」

「…………………。」

「おい吉野、返事しろ。」

「…………………。」

「はぁ…………。」




今日は日曜日。



カーテンを開ければ、晴れ渡る青空。


と、俺の問いかけをそっぽを向いて無視をする吉野。

2時間前に起きて既に朝食の準備も済ませてある俺とは対照的に、吉野は未だにベッドの中にいる。



ここ最近、ずっとこうだ。

何が気に入らないのか、最近の吉野は情事の後はずっと不貞腐れている。

数分後には、しつこく呼び掛ける俺を避けるためにシーツを頭まで引っ張り上げて潜り込んでしまうだろう。


(…………何かコイツの気に障るようなことをしてしまったのか?)





吉野を抱くときは、最大限優しく扱っているつもりだ。変なコトも強要してない。

……………………まぁ、『もっと声出せ』とかは言うが、それは許容範囲だろう。マニアックなプレイなんて以ての他だ、俺にそんな趣味はない。





それに、昨夜のセックスは吉野の希望を最優先にしたつもりだ。

前回『もう体力もたない』と泣き(鳴き?)出したコイツを無視して、3回ほどラウンドに持ち込んでしまった。体位も、『身体つらい』という吉野の言葉を聞かずに半ば強引に対面座位で攻めてしまった。

もしかしたらソレが悪かったのだろうか?と反省し、体位も吉野の希望通りの正常位。本当は3ラウンド目に持ち込みたかったが、吉野が『もう無理』と言ったので2回でやめてやった。



なのにその甲斐もなく、吉野はまたご機嫌ナナメだ。



「吉野。」

「……………。」

「吉野、起きてるんだろ?」

「……………まだ寝てる。」

「……ちゃんと起きてるじゃないか。お前の好きな濃い目のココア淹れたけど……………飲むか?」

「………………あとで飲む。」


拗ねているクセに“ココア”にはしっかり反応する吉野は、本当に子供みたいだと思う。


だけどそんな子供みたいに拗ねる吉野を可愛いと思うのと同時に、拗ねる原因が分からず苛々する。



「……………なぁ吉野。一体何をそんなに怒ってるんだ?」


しゃがんで吉野と目線を合わせ(と言っても、吉野本人は俺に背を向けているが)、ベッドの端に肘をつける。


コチラではもう手を尽くした。ここまできたら、もうあとは直接本人に拗ねている理由を聞くしかない。



「俺が何かしたなら謝るし、できることなら何でもやる。だから理由(わけ)を教えてくれ。」

「…………………。」




コチラからみせれる、精一杯の譲歩。


いや、懇願。





拗ねる吉野も可愛いが、やっぱり笑ってる吉野が1番可愛い。


お前が笑っていないと、俺が不安になる。


28年かけてやっと手に入れた、愛しい恋人。



お前の我が儘なら何だって聞いてやる、いくらでも言いなりになってやる。


だから、いつもみたいに可愛く笑ってほしい。


笑って、『トリ』と呼んでほしいんだ。






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