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□冗談だって、赦せない
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*はじめに
【Brilliant Rose】のカナコ様に捧げる小説さんです。どうぞテイクアウトなさって下さいませ。
『純情ロマンチカ3』の妄想文なので、お手元に用意されてからの拝読がよろしいかと。
非常に分かりにくい(かもしれない)・・・、いや、3巻でミス組が出演するあのシーンです。
菜々の友人の妄想を元ネタとして書きました(笑)
それでは、どうぞ!
* * * * *
丸川書店専務取締役・井坂龍一郎、本日の仕事はリッチなレストランでお偉いサンの接待。
酒は強い方なので、他人はそうは言わないかもしれないけど、自分的には"ちょっとだけ"美味いワインを呑んで、ふわふわして、ほろ酔い気分で気持ちが良かった。
それが俺をいつもより開放的にしたのだろう。
接待も何事も無く無事終わり、帰りの車の手配をしながらレストランの通路を歩く。
ふと横を見ると、そこには2人の男。
1人は知らないおちびちゃん。もう1人は、幼少期から見知った姿―――・・・秋彦。
少しだけ。少しだけ、いじってやろうと思った。理由はただひとつ、面白いから。
機嫌が悪そうのはいつもの事だけど、今日はそれが格段に酷くて無愛想。
だから余計に面白くて楽しくて、冗談だけど『俺のモンになれよ』って言ってみてやった。
そしたら秋彦に思い切り痛い目に合わされて、後ろから朝比奈に襟首掴まれて・・・・・・って!! 朝比奈!?
朝比奈のやけに鋭く痛い視線が突き刺さる。
あー・・・さっきの聞かれたか・・・。
なんて思っていると、「後ほどお話を伺わせて頂きますね」と、耳元で小さく囁かれた。ああ、コイツ絶対聞いてるな。そんでもってすんげー怒っている。気がする。
「またウチのバカ取締が御迷惑をおかけしてしまった様で・・・」
・・・む、ムカつく・・・っ
「バカとは何だ」
「バカをバカと言って何が悪いんですか」
ぐぬぬ・・・、あああ、もう!ムカつくムカつく、マジでムカつく!秘書のクセに!!!
でも、どれだけバカにされたって、引きずられたって・・・嫌いになんてなれないのは、きっと惚れた弱みだろう。