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□えすえむ
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【えすえむ】
※付き合ってる設定。
高野さんが若干キャラ崩壊&変態。
職場恋愛は、やっぱりいい。
相手の一挙一動、恋人の時間には見られない顔が見られるから。
あと、変な害虫がよってきてもすぐに対処可能な点も。
「ねぇねぇ、律っちゃん。」
「はい、何ですか木佐さん。」
視線をパソコンに向けて報告書を作成していると、木佐が律に話しかけているのが聞こえた。表情は見えないけど、修羅場明けだからか2人とも機嫌がいいようだ。
「律っちゃんってさ、えす?えむ?」
「(!?!?!?!?!?!?)」
木佐の突拍子もない質問に、思わずキーボードを打つ手をとめた。
律がSかMかだって?
「えー、俺は…………」
律も律で真剣に悩み始めている。
そんなに悩む事か?
普段の俺たちの営みを考えたら容易に答えは出るだろう?
律は間違いなく──────
「Sですね。」
「はぁっ!?」
「ウワッ!!びっくりした〜。どーしたの高野さん、急に立ち上がったりして。」
俺の不審な行動に木佐は不思議そうな顔をしているけど、そんなの今はどーでもいい。
律がSだって?
じゃあ、セックスの時いつもあんなに俺に甘えてくるのは何なんだ。
この前目隠しプレイやった時、あんなに興奮していたのは何なんだ。
俺の言葉攻めであんなに締め付けてくるのは何なんだ。
昨日の夜だって『今夜はちょっと…………、乱暴にして下さい。』なんて言ってきた、あれは一体何だったんだ!!
普段はあんなにツンケンしてるが、あれはかなりのドMだ。
今からでも仕込めば、もっと俺好みのMになる可能性もある。
でも、Sな律もよくよく想像すると─────────
「…………、アリかも。」
「何がですか、高野さん。」
横からトリの声が聞こえた気がするけど、そんなのは無視。
そうと分かれば今夜あたりにでも、Sな律さんに虐めてもらいますかな。
ふふ、ふふふふふふ…………。
「そっかー、じゃあさじゃあさ!このカタログに載ってるジャケット、お揃いで買わない?」
「あっ、このブランド知ってます!今すごい人気で、よくテレビとかメンズ雑誌とかで紹介されてますよね!」
「…………は?」
2人の会話の内容が、イマイチ理解できない。
えっ……、今ってSMの話してるんだよな?
「あ、高野さんも見ますか?木佐さんが持ってきた通販カタログ。」
「あ、そーだ!高野さんも一緒に買おうよ!ここの通販って、3000円以上の服2枚買うと送料無料、3枚以上は代金が20%OFFになるんだよ。」
ニコニコと笑う律と木佐。
もしかして、いま2人は───
「あー、でも高野さんは俺らと違って体格いいから、絶対にLサイズだよね。」
「そういえばそうですよね、なんかムカつきますね。」
「そーそー、どうせ俺と律っちゃんはSサイズのチビですよーだ!」
服のサイズの話をしてたのか!?
〜END〜