stand out

□No.002
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次の日




いつものように




天井を眺めていた






ふと、時計を見ると



いつものデブゴリラが来る時間





この楽しい時間が終わってしまう





すると、教室がガラガラと開き


バスケ部のイケメン



宮澤佐江


が入ってきた




宮澤「えっ…と

誰だっけ?」





はいはい。そうですよね

どうせオレなんか眼中にないって事ですよね




『名無し名無し』





宮澤「そうそう。すぐそこまで来てたんだよね。何してんの?」





『別に…』





宮澤「ふ〜ん」




宮澤は忘れ物をとり
教室を出て行った





あらためて、自分の存在感のなさを実感した。






そういえば


あのデブゴリラはなかなか来ない






また、天を仰いでいると




ガラガラと扉が開く音




今度こそ来た…


と思っていたら違った





小さくて、かわいくて、フルートをしっかりと握りしめた女子





特に何か言うわけではなく



黙々と練習を始める





オレも邪魔したら悪いと思い教室を出ようとしたら




??「別に気にしないでください。」





『えっ?』




??「その…どうぞ私のことは気にしないで寝ててください」





なんか、その言葉を聞いて
おもわず笑みがこぼれた



あまりのデブゴリラとの違いで…





オレはお言葉に甘えて




教室の端の方で


寝転がった





フルートの綺麗な音色が耳に入り


とても、心地よかった




そして、たまに外れる音も面白かった。



ふっ。



と笑うと彼女は恥ずかしそうに顔を赤く染めていた





最終下校のチャイムが鳴り響くと


彼女は手早く片付け



教室を出る時に




??「あの…今日はお邪魔してごめんなさい」





『ううん。綺麗だったよ』





??「笑ってたくせに。」


と少し、いじけたように言う彼女はとてもかわいかった




『また、来てね』





??「はい。」




そう言って彼女は教室を出て行った





こんなに、気持ちのいい放課後はなかった






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