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□No.004
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『小嶋さん…授業終わったよ』






小嶋「う〜ん…じゃあ、帰ろっか」





『うん。』




今は、理科室から帰る途中





小嶋さんの数歩後ろを歩く



小嶋さんの隣りを歩くなんてとうていできない。




その時、

渡辺さんが前から歩いて来た




手には生物の教科書を持っている




次は生物の授業なのかな?




渡辺「名無しくん、生物だったの?」






『うん。そうなんだ』





渡辺「私も今から生物なんだ。
苦手なんだよね…」






『そうなんだ。オレはそうでもないかな』






渡辺「じゃあ、今度教えてね」






『うん。いいよ』






オレはいつのまにこんなに渡辺さんと話せるようになったのか…




渡辺さんが積極的に話してくれるからかな




手なんか振っちゃったし…




自分の手を見てニヤニヤしてると




後ろから
殺気を感じた。




振り向くと

小嶋さんが不機嫌そうな顔をしていた。



これは、まずい




てか、なんで小嶋さんが不機嫌になる必要があるのかな…





『ごめん、ごめん…』





小嶋「ひつじは私の後ろにいればいいの」





『う、うん』





小嶋「話す必要なんてないの。わかった?」






『うん…』





それから、ずっと小嶋さんは不機嫌だった





てか、なんでオレが小嶋さんの言う事を聞かなくちゃいけないのか…




執事になります。

って言ったわけでもないし…




小嶋さ〜ん


教えてください。

なんで、そんなに不機嫌なんですか〜





別に、小嶋さんの執事としての生活がイヤなわけでもないし…




押し付けられる仕事が大変なわけでもない…





だけどな…


う〜ん…







考えていると



急に止まった小嶋さんにぶつかった…




『いてて、すみません…』





小嶋「うん。大丈夫」





『急に止まらないでくださいよ…』





小嶋「急に止まってないよ。ただ…」






『ただ?』





小嶋「…」





小嶋さんの目線を追ってみると



その目線の先には




サッカー部のなかなかモテてる

"秋元才加"


がいた。


その人は彼女らしき人と仲良く歩いている。








『あ〜小嶋さん、あの人が気になるんですか?』






小嶋「違うんだけど…」






『じゃあ、どうして?』





小嶋「あんな風になれたらいいなって思って…」





『そうですか…なれるといいですね…』





小嶋「うん。」




小嶋さんはこっちにニコッと笑って言った。




へっ?

なんでオレに?


やばい…

めっちゃかわいかった…


あ〜
やばいよ……












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