stand out

□No.009
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制服が冬服に変わりはじめた頃…



うちの高校は基本的に自由で…
校則もあるようでないようなものである…



みんなそれぞれアレンジしてるけどオレは大してなにもしていなかった…




あー…

寒いのは苦手…


テンションも下がるし…
なんだかダルい…



そして、小嶋さんが眠そうに目をこすりながら教室に入ってきた。



小嶋「ひつじ、元気無いね?」




『寒いのは苦手で…』




小嶋「一緒に冬眠する?」




真面目な顔して面白いことを言ってる…(笑)




『勝手に冬眠してください。』




小嶋「む〜わかった…」



そう言って小嶋さんは机に突っ伏した…




相変わらず、ノートをとるのはオレの仕事で…
小嶋さんはどんな時でも気持ち良さそうに寝てる…





大島「こじぱ〜!!」




まぁ、この人はどんな季節や気候でも元気だ…



大島「あ、名無し〜!おはよ〜」




『おはようございます…』




大島「相変わらず暗いなぁ〜」



そう言って背中をバシバシと叩いてくる




『大島さんが明るすぎるんです…』




大島「ハハハ。笑」




小嶋「優ちゃん、静かにして。」




大島「おぉ〜こじぱが怒った〜かわいい〜」




なんなんだ…この人…

怒られて喜んでる…



大島「ついでに名無しも怒って!!」




『意味わかんないですから…』



大島「えー。いいじゃん!減るもんじゃないんだし!」




それから、しばらく騒いだら大島さんは自分の教室に帰っていった…







そして、

HRが始まり、3時間目の体育…



授業はバスケだった…


寒くてうまく体が動かず着地の時に足をくじいてしまった…




先生「おい。名無し、ひとりで保健室行けるか?」




『あ、はい、大丈夫です』






歩く度に痛む足を引きずって保健室に向かった。

あんまり、保健室の先生好きじゃないんだよな…



保健室に入ると




大堀「あら、どうしたの?」





『いや、授業中にケガしちゃって…』




大堀「ふ〜ん、じゃあ見せて。」




イスに座らされて
足を差し出す。




大堀「あーちょっと腫れてるわね。」




『あ、はい…』




大堀「それにしても、君初めて見る顔だね。
なかなかのイケメンだし。食べちゃいたいわ。」







すると、閉められていたベッドの周りのカーテンが開いた




河西「あ、やっぱり名無しだ!」




『あ、河西さん。』



大堀「あら、智知り合い?」




河西「うん!」





河西「それより、名無し、どうしたの?」




『いや、ちょっとひねっちゃって…』




河西「ダっサーい笑笑」




『……それより河西さんこそどうしたんですか?』




河西「ん?智はね……えっとね…」




大堀「ただのサボりよ。」




河西「もうめーたんなんで言っちゃうの!智が不真面目な生徒みたいじゃん!」




『そのままじゃ…』



すると、河西さんにものすごい目で睨まれた…



大堀「はい!終了!パチン!」





『痛っ!!』



湿布を貼り終わってなぜ叩く必要があるかは全くわからない…


いるよね。こういう保健室の先生…
ダメでしょ…





大堀「ひとりで帰れる?」




『あ、はい。たぶん…』



ちょっと歩くと

『おっと…』



ガチャ!


うまく歩けずフラついてしまった…





大堀「あぁ…ダメじゃない…」





河西「智が行く!」




大堀「あら、授業はサボるのにね…」




河西「めーたん、うるさい!ほら、名無し肩かして」




『いや、大丈夫ですよ!ひとりで歩けますって!』




河西「もう…いいから。いいから。」




河西さんは無理矢理オレの腕を取って肩に乗せた…




大堀「んふふ…青春ね〜」




河西「むふふ…」




一段、一段、階段を登っていく…



河西「名無し、重〜い」



『え、手離さないでくださいよ?』



河西「智、もう疲れた…」



『いやいや、それはないですよ!』



河西「はい。ここまで!」




階段を上り終えたところで手を離された。



河西「これから先はなんか恥ずかしいじゃん…だから、バイバイ。」



『あ、はい。ありがとうございました。』



河西さんは自分の教室へ小走りで向かった。





(あれ?智、どこ行ってたの?)





河西「う〜ん…ちょっと気分が悪くて…」




(そのわりには嬉しそうな顔してんじゃん!なんかいい事あったの?)




河西「何にも無いよ〜♪」




(え〜教えてよ〜)




河西「ダ〜メ!」






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