stand out

□No.007
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クラスマッチ






試験も終わり一段落


クラスでは帰りのHRでクラスマッチについて話し合っていた…



この学校のクラスマッチは順位が文化祭のそのクラスの予算に影響してくる

順位が上の方が多くお金を使っていいのだ。




おかげで毎年大盛り上がり


みんなガチでやる




そして、今回の競技はサッカー


女子も男子もメンバーを選んでいる



今回のルールはメンバーの中に男子も女子もいれなければならない


だが、クラスで目立っていないオレにはほとんど無関係の話で

もちろんメンバーにも選ばれるはずもない…



それに、卓球部なので
卓球部=運動できない

という方程式が…勝手に作りあげられている。




別に選ばれたいのではないから
こちらにすれば好都合。



もちろん、そんなものに興味のない小嶋さんは横でスヤスヤと寝ていた…





それからしばらくしてメンバーが決まったらしく話し合いは終了した…





補習に行ってもその話でもちっきり


男子は女子にアピールできるチャンスなんだと…



近くの男子は


"女子にパスしたら優しい男子って思われるぜ"
って言ってた…



そんなことは無いと思うけど…





小嶋「ひつじは出るの?」





隣にいた小嶋さんが目を覚ましたらしく話しかけてきた



『オレはでないよ。』




小嶋「ふ〜ん」




『出た方がやっぱりかっこいいの?(笑)』




小嶋「いいよ。ひつじは出なくて」




『何それ…』




それだけ言うとまた小嶋さんは夢の世界へ…




河西さんは運動できる男子の方が好きなのかな…



運動できたらかっこいいもね…


きっとそうだよね…





河西「何考えてんの?」




『わっ!』



また、ひょっこりとオレの視界に飛び込んできた河西さん




河西「名無し、リアクションがおもしろ〜い!」





『別に何も考えてないです…』





河西「ひとりでブツブツ言ってたよ?」




しばらく間が空いて


『か、河西さんは…運動できる男子の方がかっこいいと思いますか?』


なんで、敬語になってるんだ?


無意識的に敬語になっていた…



河西「う〜ん。智は別に気にしない…」




『じゃあ、クラスマッチとかで輝いてる男子にときめいたりしないんですか?』





河西「人によるかな!
好きな人がしてることは全部かっこよく見えるし
ドジな所はかわいく見える
そんな感じかな?」





『す、好きな人いるの!?』





河西「いないように見える?」





『そういうことじゃなくて…』





河西「智は恋多き乙女なの!

好きな人はね…

いるよ!」




『ど、どんな人なの?』




河西「智にとってはすっごくかっこよくて、でもそれに気付いてなくてアホみたいに鈍感なの。

智が好きってアピールしてるのにそんなの全然気付かなくて

バカみたいに素直で
いつも一緒にいる人が羨ましいの!」




『ダメだね。その人(笑)』




河西「ホント、ダメなの…」




河西さんの話を聞いてて

かっこいいの時点でオレはリストから外れたと確信した…



そして、好きな人がいるということに少し落ち込んだ…





『河西さんが好きなのにもったいないね…』




河西「ホントに?ホントにそう思う!?」




『う、うん。』



河西さんが少しニコッと笑った。

こんな近くでこれが拝めるなんて人生悔いなし…





それから、補習が終わり
部活も終わってから河西さんをただ遠くから眺めるのだった…





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