中編・短編

□机の上の恋
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智はその日



"名無しくん見たよ。校門の辺りにいたでしょ?女の子と一緒に"




って書いた






次の日には





"えー?ズルい。オレも河西さん見てみたいのに。どうだった?がっかりしたでしょ?"






会ってみたいなんて…



なんか名無しくんの言葉にドキドキしてる



乙女の初恋みたいな片想いしてる…





自分の携番とアドレスを書こうとしたけどやめた…




だって…この関係も少し楽しみたい





名無しくんが帰る時に智は登校してきて


校門ですれ違うけど


何も話さなくて

名無しくんは智に気付いてないけど、智は名無しくんを知ってる



その関係が楽しかった。





それから、しばらく経った。





智は、喉が渇いたからジュースでも買おうって思って自動販売機に向かった




すると、自動販売機の手前で横からボールが転がってきた




そういえば、こっちは部室がある方だったっけ?





ボールは智の足に当たって止まった





??『すみません!』





智はボールを拾って顔を上げたら固まった




『あのーボールを…』





「あ、ごめんなさい。はい。」





『すみません。ありがとうございました。』





それは紛れもなく名無しくんだった



窓から遠くの名無しくんを見るより



近くで見た方が数倍カッコ良くて


ドキドキした…





そして、智は思わず名前を読んでしまった。





「名無しくん!」





すると、名無しくんは首だけ振り返った



『え…?どこかでお会いしましたか?』





智は首を横にふった




『じゃあ、なんでオレの名前を?』




名無しくんはキョトンとしてる…




『もしかして、河西さん?…』




智は首を縦に振った




名無しくんは黙り込んでしまった…




もっと近づきたいと思って
智が一歩近づくと名無しくんは一歩後ずさりした




『すみません!まだ頭の中が間に合ってなくて!』





(おーい!名無し!何してんだよ!)





『あ、今行く!!』



遠くから友達に言われて
大声で答えた。




『すみません!友達待たせてるんで、失礼します。』



そう言って走っていった。




やっぱり智のこと恐かったのかな…





名無しくんを前にすると何も話せなくなった…



ドキドキが名無しくんに聞こえちゃいそうで…




そして、智は机に



"名無しくん、智のこと恐かった?"




って書いた




これの答え次第でこれはやめようと思った…
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