中編・短編
□机の上の恋
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次の日
ドキドキするのを抑えながら机に座った
"いや、なんか…むしろ逆というか…
河西さん、とてもかわいいくて…頭が真っ白になって…"
かわいいって言葉に照れてる自分がいた。
きっと、女の子の扱いに慣れてないのかも
それとも、素直なのかな?
でも、名無しくんがかわいいって言ってくれて嬉しかった。
たぶん、今、智ものすごくニヤニヤしてる
それでもいいや。幸せだもん
そういえば、明後日はバレンタインだ。
どうしようかな〜
その日は一日上機嫌だった。
-バレンタイン前日-
お昼からチョコ作りに励んでいた
楽しみだな〜♪
名無しくんはきっとシャイで告白なんてしてくれないもん。
それなら智からアタックしちゃえ。
それにしても、名無しくんかわいいな〜
智のことを見て照れて何も話せなくなってうつむいちゃったんだ
色んなところに行って
遊園地に行って
ジェットコースターに乗ってキャーキャー叫んで
さりげなく名無しくんの腕にしがみついて
でも、意外に名無しくんの方がダメだったりして、
あ、でもお化け屋敷は行かないもんね。
いっぱい名無しくんに触れるけど…
怖いもん…
散々、一日遊んで
最後は観覧車に乗って
一番上で夕日を眺めながら
キスしちゃったり。
きっと、名無しくん照れてモジモジしちゃったりするんだろうな笑
チョコを作りながらそんな妄想を膨らませていた。
ふふふ〜♪
スキップしちゃいそうな勢いを抑えて教室に入る
いつもの席に座って
机を見た
"河西さんって彼氏とかいるんですか?"
あ、気にしてるんだ。
ふふふ笑かわいい。
なんか、智も大人になったかな
机の中に
頑張って作ったチョコを入れようとすると
机の中にはすでに何か入ってた
それは、たくさんのチョコ
きっと、直接渡せないから今日のうちから入れておこうという作戦かな…
やっぱり、名無しくんモテるじゃん…
そうだよね…あんなイケメンほっとくわけないよね…
智もそんな女の子のひとりになるのが嫌で
チョコを入れるのをやめた
そして、シャーペンを握った
そして、机の左下に
ハート型の箱を書いてかわいいリボンを結んでキラキラに飾った
これでいい。
これが智達だもん。
絵の下に
"Happy Valentine "
って書いて
机に突っ伏した
-end-