他
□ちっちゃくなっちゃった!
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!何故かちっちゃくなった檸檬
!檸檬小学生
!蜜柑27、8
思わずため息をついた。
自分と同じぐらいだった相棒がいきなり小学校中学年ぐらいの姿になって目の前に現れたらため息つくのも当たり前だろ、と心の中で言い訳をする。
「みかんー!トーマスくんがみたい!」
「ん?ああ、ちょっと待ってろ」
小さくなってもトーマスくんへの愛は変わらないらしい。
背も年齢もあまり違いがなかった頃の檸檬が録画していたトーマスくんを再生しながら何度目になるか分からない質問をした。
「なぁ、本当に何も覚えてないのかよ?」
先ほどから確認しているのだが厄介なことに、俺と仕事をしていたときの記憶がないらしい。
出会ったときにおじさん呼ばわりされて少しショックを受けたことは今は関係ないので黙っておこう。
「覚えてねぇもんは覚えてねぇよ」
「…そうか」
トーマスくんにかじりつく檸檬の隣で本の世界にのめり込んでいると、隣からぐぅーっとお腹が鳴る音が聞こえる。
時計をみれば、針はお昼の少し前を指していた。
「腹減っただろ、トーマスくん見てちょっと待ってろよ」
「うん…」
小さい檸檬を見ていると良いものを食べさせてやりたくなったので、少し手間をかけて久々に手作りにしようと意気込んで調理に取りかかる。
トントンとリズミカルに包丁を動かしていると腰のあたりをくいっと引っ張られ、見てみると先ほどまでトーマスくんをかじりつくようにみていた幼い檸檬の姿があった。
「どうした檸檬?」
「何か手伝いたい…」
「じゃあ食器の準備を頼む」
蜜柑が言うと即座に檸檬は素早く食器を準備しだした。
それを見た蜜柑は驚きながらも、子どもの檸檬に少しの感動を覚えた。
出来立てのスープパスタを檸檬の用意した皿に盛りつけ、2人で食べる。
「うまひっ!」
「よく噛んで食えよ」
「みかんはいいお嫁さんになるぞ。もぐもぐ」
「…褒め言葉として受け取っておこう」
子どもの言うことだ、と自分に言い聞かせパスタをちゅるんっと口に入れる。
その後、おかわりしたスープパスタを平らげた檸檬はすやすやと眠っていた。
ちっちゃくなっちゃった!
(子育ても悪くないな)
―――――――
とんでもない←
蜜柑の腰あたりをくいって引っ張るれもんが書きたかっただけ(^ω^)
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