ある日の会話

□「既に手遅れ」
1ページ/1ページ



「角都ゥー居るかァ?今帰ったぜ」

「随分と遅かったな。どこへ行っていた」


「んあ?聞いてねーのか、ったくあのクソリーダー。わざわざ言ってから出てやったのによォ……」


「まさかお前が報告を済ませてから出掛けているとは思いもしなかったな。あいにく何も聞かされてはいないが」


「何だよ、オレだってそんくらいはすんだぜ」


「それで、どこへ行っていたんだお前は」


「あーだからさ、オレ風邪引いちまったみたいでよォ」


「……不死身なのにか」

「ッハハ!全く、困ったもんだよなァ」

「……で、それとこれがどう関係するという。だいたい予想はつくが」



「あーそうそう、でなァオレ、病院に」

「やはり行っていたのか。その服のまま、お前は」


「へへ、バレちまったか。すっかり着替えるの忘れちまっててよォ」


「大事なところを忘れるとはお前らしい。しかし報告だけはしっかりとしていたのは、お前らしく無いが………その様子だと、帰りが遅れたのは暁だとバレたからか」



「……そうだと思うだろォ?」


「……何だ、違うのか。大方バレて捕獲でもされていたのかと思ったが」


「残念ながら全く違ェーんだよなァ!」

「残念ながら全く残念だとは思わないが、一応聞いてやろう。どうしてここまで遅れたというんだ」


「…………それがなァ」










  *既に手遅れ*







「何かさ、体いろいろと調べられちまってよォ!ったく。ただの風邪だってのに大袈裟だよなァ!」


「……………………。」


「しまいにゃ手術した方が良いだの言われちまって、笑ってやったぜ!ゲハハハ!オレは不死身だっつの!」



「………………………。」


「んで遅れたってわけ!」


「……………………それで風邪は診てもらえたのか」




「あ」




暁 ある日の会話
12/13
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ