お題

□一枚上手
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 人通りの無い場所で。

急な呼び出しに答えて、来てみれば...
どこか恥じらう女の影が一つ伸びていた。


 あー。このパターンは。


何通りか推測してみても、ある一つの結果に結び付いた




「あのさ、その…わりいけど、オレ…」


 こーゆう時は先手必勝

先に言われりゃ、こっちが答えにくくなる。



この状況、この緊張感...

何てったって、告白としか思えねえ訳で。

オレは先手を打つ事にした。



「分かってるよ、シカマル」

「え……?その声……」


 一つ、誤算をしていたのは

その相手がライナだったという事。



「駄目だよ、シカマル。ちゃんと相手の顔見て話さなきゃ」

「あー………わりい」


ライナは...いわゆる幼なじみだ。
という事は、ライナがオレに告白なんてまず有り得ねえ


「お前な、何で他の奴に頼むんだよ……自分からオレを呼び出しゃ良いだろ?」

「あー……ごめん、ごめん」

「ったく。名前まで伏せやがって……」


逆にそうまでして呼び出したのには、裏があったんじゃないか

と...
オレは、疑いもしなかった。






「で、用は?」


「……それなら済んだ。もう、シカマルから聞いたから」


「………は……?」


まさか...


  そうくるか?

柄にもなく、読み切れなかったライナの行動に...

オレは、ただその場に立ち尽くした



「だから私、言ったでしょ?分かってるよって。」

「あー……でもあれはオレもお前だって知らずに…」


「うん。私だって知ってもシカマルは同じ台詞を言ったんじゃない?」


「……う……………」


まるでクナイが胸に突き刺さる気分だ。
それくらいにライナの言葉には、攻撃力があった...




「私が勝手にシカマルの事好きなだけだから……シカマルが私の事、好きじゃなくてもいい…叶わなくていいから……

側に居たいの。駄目かな?」


「…っ……………。」


まさか、はじめから...


返事がどうくるのか分かってたって事か。










  *一枚上手*


「好きにしろよ………めんどくせー」

「ほんとに?シカマルに好きな子出来ても私…離れないかもよ?」

「……その心配はいらねーよ」

「………?どうして?」






お前には勝てそうもない
 

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