お題

□砂のかおり
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温かくて、安心感のある

 君はそんな香りがした。




「風影様……良かった。無事で…ほんとに良かった…!」

「ライナ……その呼び方はやめろと言ったはずだ」


「あ。ごめん……なさい。」


その日、彼と会う約束をしていた。
だけども...彼は来なかった。

今じゃ彼も風影という立場

それは、束の間のひと時でさえ時間は許してくれない。という事だと...理解はしていた


「少しでも時間を作ろう。だから待っていてはくれないか?」

それでも、我愛羅はそう言った

 だから...
私は彼を信じて待っていた。



しかし
運命というものは残酷で。


それからしばらくして、暁という組織に我愛羅が連れ去られたという知らせを受けた。




「ごめんね……私、何も…」


「それ以上言うな。待っていろと言ったのは俺だ……ライナは、約束通り待っていてくれたのだろう?」


何もできなかった。
ただ、無事を願って待っていただけの私を...

我愛羅は、そっと優しく...ギュッと強く抱きしめた。


「待っていてくれれば……それでいい。俺の元に居てくれればそれでいいんだ」

「我愛…羅…」






  *砂のかおり*




 君に包まれる腕の中は

 とても温かくて、とても優しい砂の香りがした




「ありがとう……大好きだよ。我愛羅」


「……大好き、か。俺はライナを愛している…」

「……も、もちろん私も…!ああああっ……あい…あい…!」

「無理をするな。恥ずかしいのだろう?」

「…っ…!」







いつか言える日が来るまで、君は待っていてくれますか?
 

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