歌王子

□ぬくもり
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「うわっ寒い…!!」



ついこの間まで少し歩いただけで
汗ばんでしまうような夏日だった。

気がつけば10月も下旬。
汗ばむどころか
だいぶ着込むようになった。



「もう冬なんだな。」


「秋短かったなー。」


「しかし、それが四季の
良いところではないか?」


「うーん、まぁ。」



隣にいる真斗は四季の変化を
楽しんでいるようだった。

でも寒いもんは寒い。



「ハックション!!…寒ぃ…」


「大丈夫か?」


「んー」



ズビーと鼻をすする。

するとフワッと何かが
俺を包み込んだ。



「真斗…?」


「風邪をひいては大変だ。着ていろ」



真斗が着ていたブレザー。
俺は普段パーカーを羽織っているため
ブレザーを着ていない。

直前まで真斗が着ていたブレザーは
まだ温もりが残っていた。



「真斗は?」


「俺は平気だ。
一応、お前よりは丈夫なつもりだ。」


「…ありがと。」



でもやっぱり…サイズでかい。




fin.

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