群青の鮫

□19
1ページ/2ページ

「ボスに幹部全員を日本に連れてくるように言えぇ!連絡をとった後すぐに、お前らも逃げろ!」
『は?しかし……、』
「良いから言われた通りにしろぉ!!」
『は、はい!』

万が一に備えて、並盛郊外に潜ませていた隊員に指示を出す。
オレ達を並盛に連れてきたあの装置は、一度は獄寺の攻撃で破壊されたかに思えたが、すぐにその姿を消す。
恐らく白蘭たちの元へ戻ったのだ。
次に現れたときには、真6弔花を連れてくるはず。
……いや、もう来たか。
空中に現れた転送装置はしかし、目的地にはつけなかったらしく、爆発四散し、真6弔花と白蘭と思われる6つの物体が四方に散った。
並盛中学に落ちた一人を追い、雲雀が駆け出し、それを追って草壁、跳ね馬が走っていく。
……階段で、いっそ芸術的なくらいに大胆に転げ落ちた跳ね馬だが、いつものことだし、平気、だよ、な……?

「アジトを一時的に使うのは良いが、すぐに違う場所を探した方が良い。白蘭が全てのパラレルワールドの情報を有してるんなら、ここの場所も割れてる可能性があるからなぁ」
「えっ!!や、ヤバイよ!!」
「必要なものだけ取って、さっさと出るぞぉ!!」

白蘭はベルの兄貴の居場所も、開発されてなかったワクチンの作り方も……とにかく、様々なことを知っていた。
ボンゴレのアジトも、今オレたちヴァリアーが使っている建物の場所も、既に奴に知られている可能性がある。
ただ、ボンゴレのアジトの場所を知っていたのなら、入江正一に任せてまどろっこしく攻めるより、一気に仕掛けてボンゴレリングを手にするのではないだろうか。
そう考えると、白蘭がアジトの場所を知らない可能性の方が高いように思える。
何かの思惑があったのかもしれないが……、単純に知らなかったと考える方が納得が行く。

「安心しろぉ。こっちの居場所が知られている可能性は低い。落ち着いて準備してこい」

ガキどもを急き立てて、アジトの中に入れる。
ったく、学校の教師じゃねぇっつーのに、面倒くせぇ。

「スクアーロも、早く来るのな!!」

山本に急かされる。
すぐに行くと返したあと、偵察用の鳥型の匣兵器を空に放ち、アジトの入口をくぐった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ