群青の鮫

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山本武を鍛え直しに、日本へ。
と、口で言うのは楽なものの、日本までの道は、平坦なものではなかった。
変装をして飛行機に乗ったのだが、イタリアにも日本にも、ミルフィオーレの奴らがぞろぞろといる。
交戦することこそなかったが、奴らにばれねーように気を使いすぎて疲れた。
そうしてたどり着いたボンゴレアジトで、簡単に敵に回線をジャックされ、くだらねーことで揉めてるのを見て、ムカつかない奴がいるか?
いいや、いない!

『6日後のお昼の12時に、並盛神社に集合』

アジト内に響く白蘭の野郎のふざけた声にイラつき、

「にしても白蘭の奴、どーやって回線に入り込んだんだ?」

アルコバレーノの間抜けな声にムカつき、

「セキュリティがザルなんだぁ、アマチュア共がぁ」

部屋に入った先でへらへらしてる山本武を見て、オレの堪忍袋の緒はぶちギレた。

「もしかしてよ……、オレの修業の家庭教師って……、」

最後まで言わせずに山本の米神を掌底で打つ。
間を開けずに腹に膝蹴りを喰らわす。

「がはっ!」

肘を脇腹に落とす。
そのまま地面に倒れ伏した山本の首に、剣の切っ先を突き付けた。

「幻騎士のカスに負けたらしいじゃねーかぁ」
「げほっ、知ってたのかよスクアーロ……」
「あんなドカスに負けてヘラヘラしてんじゃねーぞ山本ぉ!てめーの覚悟、オレが鍛え直してやる」
「!はは、スクアーロに教わるんなら、確かにオレ、『すげーことになるかも』な……」

すげーことにだかなんだかは知らねーが(どうせ跳ね馬の入れ知恵だろう)、今回オレは、テメーを別次元の強さまで引き上げてやる。

「覚悟しろぉ!」
「あぐっ!」

ブーツで頭を蹴って気絶させ、担ぎ上げた。
……重いぞぉ。

「このカスはあずかっていくぞぉ」
「ええ!?そんなこと!」
「ここはスクアーロに任せるんだ。山本のことはオレたちよりわかっている」
「そんな……」

跳ね馬に目配せし、後は頼むと伝える。
跳ね馬はこくりと頷いて、不安そうにする沢田達に向き直った。
オレは山本を担いだまま、外に出て森の中の開けたところに放り出す。

「ゔお゙ぉい!起きろ!!」
「ゔっ、ぅう〜ん?」
「目は覚めたかぁ」
「スクアーロ?ここは?」
「森ん中だぁ」
「え……と、なんで?」

山本の問い掛けを無視して自分の持ってきたバッグを漁る。
見つけた救急セットを山本に放り渡した。

「わっ、とと!」
「説明する前に傷の治療をしろぉ」
「あ、うん……」

オレが殴ったせいでついた傷を治療させている間に、オレは森の中を探索し、目的のものを見付ける。
山本武、修業1日目、開始である。
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