群青の鮫

□14
1ページ/1ページ

リング争奪戦が終わり、オレ達の処分も決まった。
前と同じ、謹慎だけ、で、済むわけでもなく。
ボンゴレの尻拭いやら雑用やらのために、ヴァリアー総出でコキ使われることが、オレ達に下される罰となった。
元々少ないヴァリアーの隊員も、少し減らされ、忙しなく日々を送るオレ達の耳に、とある報せが舞い込んできたのは、件の争奪戦が終わり間もなくのことだった。

「……沢田綱吉含め10代目の守護者達が全員、行方不明になっている、だぁ?」

部下からもたらされた情報に耳を疑う。
争奪戦が終わって何日も経っていないと言うのに、まさかもう敵マフィアに殺されたとでも言うのか?
しかし情報を詳しく聞くと、どうもそうではないらしい。
彼らはまるで神隠しのように、一瞬にして姿を消したのだとか。
オレはそれを聞いて直ぐ様日本へと飛び立った。

「……誰も、いねぇのか」

各々の守護者の家、学校、よく行く場所を探すが、結果、誰一人として見つからない。
その上守護者達だけでなく、関わりの深い人物も何人か行方不明になっていた。
しかし同時に集めた目撃証言により、ある可能性が浮かんできた。
それはボヴィーノファミリーに伝わる幻の兵器、10年バズーカ。
その兵器は対象の者を5分間だけ10年後の対象者自身と、交換することが出来るのだとか。
雷の争奪戦で使われていたあのバズーカのことのようだ。
しかし飛ばされた者達はいつまで経っても帰ってこないし、10年後の彼らもこの時代に来ていないようだった。
そのバズーカの故障なのだろうか。
何故かバズーカ本体は行方不明で、真相を確かめることも出来ない。
とにかくまずは、彼らの行方を案じる保護者を安心させるために、一軒一軒家を訪ねて偽りの事情を説明した。
『沢田家光の招待で急遽イタリア観光に行くことになった』と。
何度頭を下げたことか……。
全ての責任は沢田家光に押し付けるとして、それだけではオレの気が治まらないから今度会ったときにはザンザスの為に高い酒でも買わせよう。
そうしてオレは、周囲を騙し騙し調査を行っていたのだが、その数日後、彼らはひょっこりと帰ってきた。
厄介な『プレゼント』を引き連れて……。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ