企画

□ケイ様(群青の鮫)
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「ねぇ、知ってる?
日本には銃刀法って法律があるんだよ。」
「知ってるぞぉ!
正式には銃砲刀剣類所持等取締法だぁ!」
「知ってるなら話は早いね。
僕の並盛に銃刀類を持ち込んだあなた達を、僕は武力を以て制するとしよう。」
「お前は罰されねぇのかよぉ!?」
「僕が持ってるのはトンファーだからね。」
「ずりぃ!」

荒々しい口調で交わされる会話。
その言葉の狭間に、雲雀恭弥のトンファーと、スクアーロの大剣がぶつかり合う甲高い金属音が響く。
激しい戦闘を繰り広げる二人に、周りでそれを見ていたヴァリアー隊員の一人が呆然と呟いた。

「どうしてこうなった……。」

発端は、今からほんの少し前の事。
彼らが並盛に到着した頃の事である。
しかし話の始まりは、彼らがイタリアを発つ前、ヴァリアー本部の、XANXUSの執務室での事である。


 * * *


「カスザメ、このカスどもを潰してこい。」
「あ゙あ?」

XANXUSが雑に投げ渡した書類を見て、スクアーロは眉を吊り上げた。
それは日本を拠点として動く何の変哲もない……というと少し違うかもしれないが、よくある組織の資料である。

「ここを潰してくりゃあ良いんだなぁ。」
「さっさと行け。」
「わかったぁ。」

その組織が何かをしたと言う記憶はないが、XANXUSが言うなら潰す。
絶対的な信頼、と言うよりも、信奉とさえ言えるかもしれない。
とにかく、二つ返事で頷いたスクアーロは、立ち上がって日本へと発つ準備をするために部屋を出ていく。
そして同時刻、日本の並盛町では、雲雀恭弥の元へ、とある情報が届いていた。

「……ヤクザ?」
「はい、最近並盛の周辺で活発に活動しているようでして……。」
「ふぅん、強いの?」
「それは……委員長とは比べるべくもありませんが、オレ達よりは強い、かと。」
「……面倒くさいね。」
「申し訳ありません……。」
「まあ、いいよ。
明日までに潰しといてあげる。」
「ありがとうございます。」

退屈そうにそう言った雲雀は、大きく口を開けて欠伸をする。

「くぁ……はあ、誰か、強い人が来れば良いのにな。」

最近は、彼が草食動物だの小動物だのと呼んでいるあの3人組も、会っただけで戦う気の萎えるあの極限男も、何やら忙しそうにしている。
つまり、有り体に言えば、雲雀恭弥は暇をしていた。
心惹かれる強者に出会えず、飢えていた。
自分の師匠だなんて嘯くあの男でも、誰でも構わない。
誰か並盛に来れば良いのに。
そんな戦闘欲を持て余した彼の目の前に、とても美味しそうな餌が放られるのは、それから間もなく。
その翌日、彼が潰しに行ったヤクザの屋敷での事であった。

「てめっ……!雲雀恭弥!!」
「あなたは、ス……ス……誰だったっけ?」
「スペルビ・スクアーロだぁ!」

XANXUSの指示で、ヤクザを潰しに来たスクアーロ達ヴァリアー。
そして、並盛の平穏を守るべくヤクザを潰しに来た雲雀恭弥。
ヤクザの屋敷の中で、双方は顔を突き合わせることになったのである。
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