企画

□misyou.go様(群青主原作トリップ)
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詳細は省くが、どうやらオレは調子の悪い10年バズーカを被弾し、白蘭が言うところの平行世界(パラレルワールド)に飛んでしまったらしい。
しかも少しばかり時間を遡っているようだった。

「う"ぉお!?」
「な、何事です!」
「あ、あれは……え?」
「なぁ!どういうことだぁあれはぁ!?」

遠くから、どことなく聞き覚えのあるような声が聞こえた気がした。
10年バズーカを被弾したオレは、濃い煙に包まれたと思った瞬間、どこか暗い建物の近くに落っこちていた。
ここは?つーか今はもしかして10年後なのか?
そんな考えは、目の前の景色を見た途端に全てぶっとんだ。

「……あ"あ?い、一体これは、どういう……」
「ス、S・スクアーロ!」
「……ちげぇ。てめぇ、何者だ」

目の前には、全身から血を流して倒れるザンザスと、地面に突っ伏す沢田綱吉、そしてそれを取り囲むように立つ10代目ファミリーとヴァリアーの幹部達がいた。
なんだ、見覚えのある光景だ。
というか……

「ザ、ザンザス!?お前何ボロボロになって……とにかくすぐに医者を呼んで……」
「う、動くな!テメーどういう状況かわかってんだろうな!?」
「うるせぇぞ爆弾小僧がぁ!ザンザスがピンチだってことくらいならオレでもわかる‼」
「何言ってんのあの人ー!?」
「気持ち悪ぃ、近付くなカス!」
「はあ!?へぶっ!」

ガキどもを無視してザンザスに近付いたところ、精神的にも身体的にも手酷く殴られてオレは撃沈した。

「ってう"ぉおい‼ここで撃沈して堪るかぁ!」
「ひい!よみがえったー!」
「死んでねぇ‼つーかなんでまたてめぇら戦ってるんだぁ!?リング争奪戦はもうとっくの昔に決着がついて……」
「え?」
「……は?」
「リング争奪戦は今が大空戦で……それよりなんで、なんであなたスクアーロとそっくりな格好してるんですか!?」
「……はあ!?」

今が大空戦?
オレがスクアーロだとわかってない!?
つーか今の言い方じゃまるでオレそっくりな別のスクアーロがいるみたいな……。

「う"、う"ぉおい……なんで、オレが目の前に立っていやがる……?」
「……な、に?」

声を辿って視線を向けた先には、銀色のロン毛、鋭い眼光、あの時と全くおんなじ状況の、オレにそっくりな人間がいた。
それを見た瞬間、オレは事態を察する。
目の前のオレそっくりな奴は、声が低くて、ガタイが良くて、……見るからに男で。
つまりそれは、どう言うことかと言うと……。
あれは、オレのオリジナル、本物のS・スクアーロなんじゃないのか?

「ぐっ……う、くそっ。なぜ、邪魔ばかり入る……。テメーら、オレのために動け、奴らを殺せ!そこのお前も!カスザメならとっととオレをボンゴレのボスにしろ‼それが叶わねぇなら、全員道連れにしてや……」

ぱちん、と小さな音が校庭に響いた。
オレが、ザンザスの頬を叩いた音だった。
もちろん、手加減はしている。
それでも、普通なら絶対しないことだ。
ザンザスも、周りの奴らも絶句していた。
目を見開いてオレを見上げるザンザスに、言い聞かせるように呟く。

「勝負はついてんだろぉ、ザンザス」
「そ、それが、どうした……!」
「傷を手当てしようザンザス。そのままじゃあ死んじまうだろぉ」
「そんなこと構うか!」
「駄目だ。お前のこと、ぜってぇ死なせねぇ」
「っ!」

言葉を失って、呆然とこちらを見ているザンザス。
痛々しい傷跡は、雨の炎で覆って血を止めた。
そしてそれから三日、オレは未だに元いた世界に戻れずにいる。
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