群青の鮫、番外編

□凍てついた手
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それから1ヶ月、オレは必死だった。

「よし、手始めにまずは、うちの隊員と戦ってみろ」
「あ゙あ?」
「100人抜きだ!素晴らしい!」
「あ゙あ!?」

なんて言われて、実際に100人抜きをするはめになったり。

「毒への耐性がないだと?暗殺者なら毒くらいに負けるのは素晴らしくおかしい!毒を克服した時には、このオレ様が貴様と戦って見せよう!!」
「……ぶっ殺す」
「うわぁ!落ち着け新人ー!」
「まだ入ってねぇ!」

結局、全てではなかったが、並大抵の毒は効かなくなったり。

「お前もだいぶ強くなったしな。素晴らしいことに、もう並みの隊員ではお前には敵わない。だからお前、自分がこの間勝った隊員を、鍛えて育てろ」
「っざけんなぁ!入ってもねぇのに、なんでそんなことまでしないとならねぇ!?」
「楽しそうだからに決まってるだろう」
「がぁぁあああっ!」
「新人が壊れたー!」

なぜか隊員の育成を手伝うことになったり。

「おいお前、素晴らしいイタリアンの1つくらい作れるようになれ」
「なんでそこまで指図されなきゃならねぇんだぁっ!?」
「オレ様が食べたいからだ!」
「死ねっ!」
「おい、誰か新人止めろー!」

気付けば、イタリアンのフルコースを作らされるようになっていたり。

「酒だ、酒が飲めねばマフィアじゃない」
「未成年の飲酒、ダメ絶対!」
「知るか!飲め、オレ様の酒を飲めないとは言わせないぞ」
「こいつ酔ってやがるガボォ!?」
「新人が潰されたー!」

しかし翌日、

「お前、もう絶対に酒は飲むな。良いか、絶対だ。飲んだら殺すからな」
「?お゙う……?」

禁酒を厳命された。
で、みっちりこき使われたオレは、1ヶ月後、ようやくテュールと戦えることになったのだった。
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