記念企画部屋2

□さようなら神様
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仁王の言葉は、カチリ、と俺の中の何かに填まった。


神様じゃなかった、幸村君。


幸村君は、神様になりたかった?


なりたかったなら、


俺達のやる事なんて決まってる―――。





「敗けることは絶対に許さん!!」


真田が言った。




それから俺達は、全力で走った。

止まった瞬間に何かの喪失にきっと気づいていた。





*******


「……そう、解った。」


関東大会の決勝で敗けた時、幸村君はポツリとそう言って俯いた

「俺の、せいだね。」


殆ど音にはなっていない唇の動きが、何でおれなんかに見えてしまったんだろう。

そんなモノ見えたって、神様の1番近くに居たはずの君に、かける言葉なんか、俺は持たないのに。





*******


「ただいま。」

そう言って幸村君が微笑んだ時、身体が震えた。

喉が震えて、ラケットを握る手も、震えてる。



「何泣いてるの?丸井。」

「うん、嬉しいから。」」

「…そう、ありがとう、でも生憎、泣いてるヒマ、無いから。」



一応の礼と共に、素っ気なくそう言われた。

「………………うん。」


やっと、そう返したけれど。


腹が立ったわけじゃない。


それよりも、


感じたのは、虚無感と、違和感。
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