記念企画部屋2
□いつか、笑顔で
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時々、今の自分にとてつもない違和感を感じる時がある。
大阪に居る、自分に。
大阪に居るなんてことよりももっと大きな『違和感』は四六時中、右側に張り付いて、左側さえ浸食を始めているというのに、
そんなのはもう絶え間ないことなのに、
時々不意に、泣きたくなる。
もう全ては終わったことだ。
再戦の全国大会も。
色んな人を巻き込んで叶えさせてもらった。
なのにどうしてまだ……。
学校の屋上で、とくに目的も無く寝転んで空を見上げた。
蒼い空が、とても綺麗で。
降り注ぐ光に、手をかざしても、
それは影を新たにつくるだけで、
光などこの手には出来ない。
解って、居るけれど。
「千歳、」
「え、オサムちゃん。どぎゃんしたと?」
今は授業中ではないのか。
どの口が言うと返されたら、反論の余地は無いのは自覚しているが。
フッと微笑んで、オサムちゃんは隣に座った。
綺麗と形容されることはきっと無い、けれどとても温かい微笑み方をするこの人が、俺はとても好きで。
「何が見える?」
「え?」
「何が、見えた?千歳。」
「―――っ!!」
ああ、駄目だ。
この人は解ってる。
今俺の心にあるのが、満足なんかじゃないこと。
「ご、めん……、」
沢山、振り回した、のに、
我が侭、全部、叶えてもらった、のにっ、
俺は、
「淋しいか。」
「…………っ!!」」
綺麗では、無いけれど、誰よりも優しい瞳が、微笑んでる。
「ええんや、千歳。ええんやで、それで。」