いつかまた…

□1話
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父「司信、その力はね誰かを守るためのものだ。
だからそう恐れることはない。
それがわかる時がきっと来る。
それまでは慢心せずに修行をしなさい」

『はい、父さん!』


その時はきっと父の言葉通りになる日が来ると信じて修行に励んだ。
この力-見稽古-はきっと神様が守るためにくれたものだとそう思いながら。



研究者1「よし、次はこいつだ。
ちゃんと押さえていろ」

研究者2「おいっおとなしくしろ!」

『いやだ!!
はなせーーー!!』

ジューーー

研究者3「なんだこの能力は!?
っまずい逃げろ!!
こいつは、"化け物"だ!!」


両親が死んでから引き取られたところが人体実験場だった。
時間も忘れた頃に発現した能力-イフリート-はその実験場にいるものすべてを壊した。
その当時私に施された実験は、感情を抑え,殺戮衝動のみを高めさせるよう大量の薬物服用により脳に形成された回路を外部から起動するよう発信するために作られた特殊なランタンに光を灯すことにより人工的な殺人鬼を作り出すモノだった。
その実験中、この時初めてイフリートが同時に使えるようになってしまっていた。
その時私は"この世界の全てが壊れてしまえばいいのに"、と思っていた。
その影響か何故か壊すこと以外何も考えられなかった。
研究者や私と同じ被験者達をただ湧き上がる殺戮衝動の赴(おもむ)くままに殺した。
研究員が発した"化け物"という言葉が頭に残ったまま…



上官1「おい、この"化け物"に任務を一か月休みなく与え続けろ。
こいつはまだ自分のことを"人間"だとおもっていやがるからな。
ちゃんと自分の立場をわからせろ」

上官2「いい加減認めたらどうだ。
"化け物"は"化け物"らしく人間様にこき使われろ」

敵「ひぃーー、来るな"化け物"!!」

『…、私はやはり"化け物"なのか。
やはり"化け物"にはもう普通の人生を歩めないのか…』

"奴ら"に捕まってからはほぼ毎日休みなく任務をやらされ、食べ物も残飯しか与えられなかった。
敵にも"化け物"と呼ばれ、いつしか苦しまないように手加減も容赦も情けをかけないようにしてきた。
少しでも苦しまずに逝くように。
そして任務中は何も考えたくなくてランタンを使う事が増えていった。





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